バンゲリングベイ(ハドソン) : 感想・レビュー [ファミコン]

バンゲリングベイ : 感想・レビュー

独特の操作

自機のヘリコプターはこれまでのゲームと比べて操作が独特で、上が前進、下が後退、右が右旋回、左が左旋回と言ったようになています。このため最初はまともに操る事の出来ない状態が続きました。

ただ、姫の場合は初回プレイの途中からこの操作に慣れ、行きたいところに行きたいように動けるようはなりましたし、多少の時間を要したもののそれほど苦にはならなかったです。

これは賛否両論分かれる部分かも知れませんが、姫としてはこの独特の操作方法についてはあまり悪い印象は持ちませんでした。この操作方法にする事によって自機は少なくともヘリコプターらしい動きは見せていると思います。

自機の旋回性能と射撃性能

移動に関しては操作方法が独特だと言う事意外は問題ないと感じたのですが、操作方法とは別の部分、自機の旋回性能と射撃性能には不満が残りました。旋回速度は大回りしている戦闘機、爆撃機を追えない速度ですし、対空対地砲は「画面内に1発だけ」の制限があるため敵機や地上物に当てるのに苦労が伴います。

これに関してはせめて連発出来るようにして欲しかったと思います。旋回速度を上げても軸の合わせ難さが残るので「画面内に1発だけ」の弾を当てる難しさはそのまま残りますが、弾の連発を可能にすれば敵機や地上物との軸が多少合わなくても連発している中で弾を当てる事は出来ますので。

色々と考えられている作品

「バンゲリングベイ(ハドソン)」は今までのゲームと比べ、色々と考えられて作られている作品のように見えました。

  • 自機はダメージ制で、受けたダメージは飛行能力に影響する
  • 爆弾に残量がある
  • 空母があり、ダメージ回復と爆弾の補給が出来る
  • 空母が襲撃を受け、場合によっては沈む
  • 地上にレーダーがあり、自機を発見し戦闘機を呼ぶ
  • 敵の飛行機発着場があり、敵機だけでなく自機もそれを使う事が出来る
  • 造船場で船が作られ、完成前に破壊しなければ出航する
  • 時間と共に工場の耐久力が増す
  • 時間と共に敵の勢力が増す
  • など...

面白いとは言えない

上述のように「バンゲリングベイ(ハドソン)」は色々と考えられていて良く出来てはいると思います。しかし、このゲームは面白さに関しては全体的にも部分的にも全く面白いとは言い難いように感じました。ゲーム性を持たせる事に熱心になるのは悪い事ではないと思いますが、その前に肝心のゲームの面白さを何とかすべきだったのではないかと思います。

2人同時プレイ

2人同時プレイでもプレイしました。姫がIプレイヤーであやちゃんがIIプレイヤー(バンゲリング帝国の司令官)でのプレイだったのですが...姫の結果は散々なものでした...高射砲が出現するたびに誘導弾を撃たれたのでは...。どうやら2人プレイはIIプレイヤーの方が有利な状況でゲームを行えるようです...。

2人同時プレイではIIコンのマイクで(「ハドソン」と)叫ぶ事で戦闘機を呼び出す事が出来るのですが、あやちゃんはこれを使いませんでした。そして、マイクを使えば更にゲームを有利に進められたはずなのにと思って理由を聞くと「恥ずかしいだろ。」との事でした。分かりやすい理由だと思います。

海、空母、背景色が変化する

海は自機の受けたダメージによって色が変わるようになっています。仕組みは分かりませんし不可解な事が起こっているとは思いますが、(そこはゲーム内での出来事として)自機の状況が分かりやすくて助かりました。

背景色はプレイヤーの得点に合わせて緑の陸地から雪景色のような白い陸地、夜景のような黒い陸地などに変化して行きます。プレイしていて初めて景色が変化した時には突然の事だったので驚きました。こちらも仕組みは分かりませんし不可解ではありますが、変化後の世界は綺麗なので良いと思います。

スペシャルボーナス時には空母の色が変わります。最初に見た時は空母に帰ると空母全体がピンク色に変化していたのでとても驚きました。(着艦すると元の色に戻りました。)

この空母の色の変化はスペシャルボーナスを出す度に違う色が見られたのですが、個人的には、他の2つとは違い、これに関してはなくても良かったのではないかと思います...。あっても構わないのですが...海の色の変化のようにヘリコプターのダメージ状況が分かる...と言う訳でもありませんし、背景色の変化のように雰囲気が変わり見た目も綺麗...と言う訳でもありませんし...。

エンディングがない

6つの工場を破壊してラウンドをクリアした後は黒背景に一言「COMPLETE」と表示されるだけで、エンディングのようなものはなく、直ぐに次のラウンドに入って行くようになっています。エンディングがないのは非常に残念でした...。

総合評価 : 10点

「バンゲリングベイ(ハドソン)」の総合評価は10点です。

同時期のゲームと比べて全体的には良く作られていると思います。ただ、考えられて作られている事と面白い事とは全く別で、この「バンゲリングベイ」に関しては面白いとは言い難く、ゲームとして最も大切な部分が大きく欠けているように思いました。

もしかすると姫のようなゲーム初心者に伝わらない面白さがこのゲームの内に含まれているのかも知れませんが...。(色々と考えられて作られていると言う点が姫にそう思わせます...。)

しかし、例えそのようなものがあったとしても伝わって来なければ姫にとってはそれまでの事で、伝わって来ないものを探してまで評価するような事はしません(初心者ですので特に)。姫はプレイヤーがメーカー側に立ってまで優しく評価する必要はないと思いますし、あくまでも「良く出来てはいるけど面白いとは思えない」と言う姫の感覚を重視しての10点と言う点数を付けました。

10点の内容のほとんどは(同時期のゲームと比べての)作品の出来の良さに対しての点数です。

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