「エクセリオン(ジャレコ)」では自機のファイターEXの挙動に慣性が加えられています。このため今までのシューティングゲーム(「ギャラクシアン(ナムコ)」、「ゼビウス(ナムコ)」)に比べると操作感覚は独特のものになっています。

プレイ中、姫が弾を避け切れずに被弾する原因のほとんどはこの慣性を扱い切れないところにありました。上手く操る事の出来ない姫が悪いのだとは思いますが、慣性を加えた自機の挙動はあまり好きとは言えませんでした。

自機のファイターEXは8方向に移動する事が出来ます。また、画面内を広く移動する事が出来、この辺りは姫の好みに合っていると思います。姫は「ギャラクシアン(ナムコ)」のギャラクシップのような左右にしか移動出来ない機体はあまり好きではないので、この8方向移動と移動範囲の広さは良かったと思います。

自機ファイターEXにはシングルビーム(連射型で画面内に4発)とデュアルビーム(2連装単射型で画面内に1発)の2種類の攻撃兵器が装備されています。「ゼビウス(ナムコ)」では対空兵器と対地兵器の打ち分けでしたが、こちらは性質の違う対空兵器の打ち分けになっています。

この2種類の攻撃兵器、シングルビームとデュアルビームを上手く使い分けて敵を撃ち落して行くところに「エクセリオン(ジャレコ)」の面白さが...あれば良かったのですが、そうはならなかったようです...少なくとも姫にとっては...。

敵キャラは編隊を組んで飛んで来ます。この辺りは「ギャラクシアン(ナムコ)」のようですが、自機が8方向に動ける点や敵キャラが上空に待機していない点が大きく違います。姫は形としてはこちらの方がまだ好きかも知れません。

敵キャラはそれぞれの種類毎に独自性を持った動きを見せます。しかし、敵キャラの種類は非常に少なく、これらも直ぐに物足りなくなってしまいます。敵キャラの種類はもう少し多く用意した方が良かったのではないかと思います。

「エクセリオン(ジャレコ)」は疑似3D型のシューティングゲームになっています。ですが、疑似3D描画になっているのは背景画面だけで、敵キャラは平面的に画面上方から迫って来るだけの2D描画になっています。この3Dと2Dの不自然に組み合わせのためゲーム全体が常に違和感のある状態になっています。この辺りはもう少し工夫しても良かったのではないかと思います。

プレイ中の背景音楽(BGM)はありません。これまでも背景音楽のないゲーム、あっても単純な音の繰り返しに留まるゲームは多くあったのですが、やはりきちんとした音楽が付いていないと寂しい感じがします。最近は「マッピー(ナムコ)」、「クルクルランド(任天堂)」のようにはっきりした旋律を持つ音楽を付けるゲームも出て来ているだけに尚更です。(「クルクルランド」の曲は少し弱くはありますが...。)

背景は面(エリア)をクリアした時点で変更されるのですが、地面が緑色でその上を白い雲が流れる面(エリア)では自機や敵の弾が見難くなりましたし、地面が緑色で空がピンク色の面(エリア)では画面が全体が非常に見難くなりました。

特に後者の場合は酷く、前者は判別が難しくなりプレイし難くなると言う見難さですが、後者は画面を見る事自体が辛くなると言う見難さで、目に悪影響を与えるのではないかと思えるほどでした。

前者の見難さは...自機の位置を見ずに敵が弾を発射したところを見てそこからの予測で弾を避けると言う方法で対処する事が出来たのですが、出来れば最初から見やすくしておいて欲しかったです。

図1) 画面の下の方では背景の関係で自機や弾が見難い。

図2) 画面を見るのが辛くなるほどの凶悪な色使い。

「エクセリオン(ジャレコ)」の総合評価は6点です。

慣性、2種類の対空兵器の打ち分け、疑似3Dなど...新しいものを取り入れる試みは悪い事だとは思いませんが、肝心の「面白さ」が全く感じられませんでした。新しい事を始めるにしても「面白さ」を置き去りにしてはいけないと思います。

また、背景の種類によって画面がとても見難くなる事がある辺りはプレイヤーの事が考えられていないように感じられました。

悪いところが目立ち、良いところが少ないゲームだと言えると思います。