本将棋 内藤九段将棋秘伝(セタ) : 体験記 [ファミコン]

本将棋 内藤九段将棋秘伝 : 挑戦前

姫は将棋に就いて何も知らなかったため、「本将棋 内藤九段将棋秘伝(セタ)」に挑戦する前に将棋の入門書から定跡書までを1日かけて読んで将棋の勉強を一通り行いました。

今までもゲームをするに当たって(麻雀、テニス、野球、サッカーなど)そのために勉強をした事はありましたが、将棋は学ばなければならない事が多く、今までの中で最も多くの本を読む事になりました。本を読むのは好きなので苦には感じなかったものの、慣れない用語や文体、時間のない中で多くの冊数を読まなけれならず、思っていたよりも大変でした。

そして、1日しか勉強する時間がなかったので付け焼刃ですが、一応、将棋の基本的なルール、駒の動かし方、居飛車、振り飛車、奇襲戦法、囲いの崩し方など色々と学ぶ事が出来ました。

将棋を全く知らなかった姫ですが、将棋の本を読んでいる内に面白そうに感じる部分はありました。姫の学んだ事がどこまで通用するか今(挑戦前)から楽しみです。

本将棋 内藤九段将棋秘伝 : 初回プレイ

初手合い

ロボット(コンピュータ)との初手合い...と言うよりも姫の場合は人生初の対局になります。

対局は姫の先手、時間制限なし、駒落ちなしに設定して開始。時間設定はあると不安なので「なし」にしました。駒落ちは駒落ちの定跡書を読んでいない事と(どちらの駒を落としてもどう指して良いのかが分からなくなってしまうと思われます。)将棋は駒落ちなしで指すのが「普通」のようなので「なし」にしました。

戦型の分かれ道

姫が定跡本を読んで最も興味を持ったのは「振り飛車対居飛車」で、それも姫が振り飛車側で指してみたかったのですが、初対局と言う事で居飛車を選択し、3手目で飛車先を突きました。

これに対してロボット(コンピュータ)は角道を止めてから4筋に飛車を振って来ました。

3手目 先手2六歩[本将棋 内藤九段将棋秘伝]

[本将棋 内藤九段将棋秘伝]

図1) 3手目、先手2六歩。最初の対局と言う事もあり居飛車を選択。

4手目 後手4四歩 角道を止める[本将棋 内藤九段将棋秘伝]

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図2) 4手目、後手4四歩。角道を止める。

8手目 後手4二飛[本将棋 内藤九段将棋秘伝]

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図3) 8手目、後手4二飛と飛車を振って四間飛車に。

居飛車対振り飛車戦

姫は「最初なので居飛車対居飛車」と思って飛車先を突いたのですが、ロボット(コンピュータ)が飛車を振ったのを見て、飛車先を突いたのは失敗だったかも知れないと思いました。

姫は「振り飛車対居飛車」の定跡書を数冊読みましたが、それは全て振り飛車側から見た居飛車対策の書かれている定跡書でした。そのため振り飛車側が上手く行く手順は頭に入っていても居飛車側が上手く行く手順は大雑把にしか憶えていません...。しかも、「そうならないように振り飛車側はこう指す。」と言う中での居飛車成功例しか知りませんので、居飛車を指すのは難しそうです...。まだ、合い振りになっていた方が良かったような気がします。

右四間飛車

居飛車側を持った姫はここからどう指して良いのか分からない状態になってしまいました...。そこで取り敢えずは戦型だけでも決める事に...。

ですが、姫が四間飛車を学んだ中で出て来た居飛車の戦型と言えば...「斜め棒銀」、「6五歩(4五歩)早仕掛け」、「棒銀戦法」、「右四間飛車」、「5筋位取り」、「玉頭位取り」、「左美濃」、「穴熊」などなど...現役の戦法から今は見かけなくなったと言うものまで色々とあり過ぎて...一体何を指せば良いのか...。振り飛車なら居飛車側の動きに合わせて形を作って行く場面も多く、そう言った迷いは少ないのですが...。

そもそも学習段階では「自分が振り飛車を指す立場」でしか居飛車側の戦型に接していない上に振り飛車が良くなる変化を多く学んだため、どの戦型でもそう簡単に居飛車側が良くなるとは思えず、どの戦型もあまり指す気が起こりません...。

そこで、姫が振り飛車だったら一番困る戦型にしようと思い、穴熊で...と一瞬思ったのですが、囲ってからの攻めがよく分からない事と(初心者の姫が攻め筋を上手く作り出せるとは思えません)、姫が学んだ定跡書では居飛車側に穴熊をすんなりと組ませないようにするための振り飛車側の工夫が書かれていたのですが、振り飛車側が工夫して来た場合、居飛車側も穴熊に組むためにはそれなりの工夫が必要になるらしく、初心者の姫には指し切れない恐れがあった事から穴熊は断念しました...。

そして、結局、比較的分かりやすかった「右四間飛車」を採用する事にしました。姫の読んだ本(振り飛車よりの本)では振り飛車が良くなる変化が多く、あまり指したくはないのですが、他は変化した時に姫には対応出来そうにないと思いましたので...。

戦型を決めた後、4筋の歩を突いて他の戦型への迷いを断ち切り、右四間飛車へ一直線で手が進みました。

25手目 先手右四間飛車[本将棋 内藤九段将棋秘伝]

[本将棋 内藤九段将棋秘伝]

図4) 25手目、先手右四間飛車の攻撃態勢が整う。

開戦

図4から▲2五桂と跳ねて開戦です(図5)。定跡書では図4では5四の地点に後手の銀がいて4五の地点を守り、(先手の1六歩に合わせて)1二香と上がっておいて角道から香車を逃がしてある事が多いのですが...。

以下、△2四角、▲4五歩(図6)、△5四金(図7)、▲4四歩、△同銀、▲4五歩と進みます(図8)。後手の角が2四に上がり、1一に香車が残ったままなので4四の地点をこじ開けて香車を取りながらの1一角成を狙います。

以下、△同金、▲同銀、△同銀、▲1一角成(図9)となり作戦は一応の成功となりました。ただ、ここは後手の手番で色々とありそうなので後手からの反撃が気になるところです。

と思っていたら、△4一飛と飛車を引き桂馬を守りに入りました。姫は後手が攻めて来ないならと▲4四香。後手の飛車を無能力化と飛車先を止めての銀抜きを狙った手です(図10)。初心者なので他に良い手も思い付かずと行ったところです。

以下、△4三歩(図11)、▲4五飛、△4四歩、▲同馬(図12)と進みます。香車を取らせている間に銀を取る事が出来ました。

以下、△同飛、▲同飛(図13)。ここで後手は同飛と飛車を捨てて馬を取りに来ます。

図13を見ると先手の持ち駒は飛車、金、銀、歩、後手の持ち駒は角、銀、香、歩となっていて、飛車角交換して先手が後手の香車に対する金の分だけ駒得しているようです。囲いは、先手の囲いは囲いと呼べるようなものではありませんが、後手の囲いも守りの金が既に1枚剥がれていますし、9筋の歩を付いていない美濃囲いなので玉を捕らえやすそうに見えます。先手には飛車成の手が残っていますし、駒得もありますので先手の方が形勢が良いと言えるのではないかと思います。昨日将棋を覚えたばかりの素人の判断ですが。

27手目 2五桂[本将棋 内藤九段将棋秘伝]

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図5) 27手目、2五桂で開戦。

29手目 先手4五歩[本将棋 内藤九段将棋秘伝]

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図6) 29手目、先手4五歩。

30手目 後手5四金[本将棋 内藤九段将棋秘伝]

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図7) 30手目、後手5四金。

33手目 先手4五歩[本将棋 内藤九段将棋秘伝]

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図8) 33手目、先手4五歩。

37手目 先手1一角成[本将棋 内藤九段将棋秘伝]

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図9) 37手目、先手1一角成。

39手目 先手4四香[本将棋 内藤九段将棋秘伝]

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図10) 39手目、先手4四香。

40手目 後手4三歩[本将棋 内藤九段将棋秘伝]

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図11) 40手目、後手4三歩。

43手目 先手4四馬[本将棋 内藤九段将棋秘伝]

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図12) 43手目、先手4四馬。

45手目 先手4四飛[本将棋 内藤九段将棋秘伝]

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図13) 45手目、先手4四飛。

終盤

図13以下、△4二香(図14)、▲4三歩、△5二金(図15)、▲4二歩成、△6三金、▲4一飛(図16)と進みます。後手は先手の飛車を1段目にそのまま成らせないために4二に香車を打ちます。これに対し秘めはは特に良い手も思い付かなかったため4三歩と重たそうな手を指してしまいました。先手の4三歩に対して後手は5二金と上がりますが、4二歩成には6三金として逃げます。姫にはなぜ5二に金が上がったのかがよく分かりませんでした。4二歩成の時に同金と取るためだと思っていましたので。

後手の6三金の後、姫は4一飛と1段目に飛車を打ちます。6一の地点にいた後手の金がいないので飛車の打ち込みがそのまま詰めろになっています。

後手はこの詰めろに対して受けずに3三桂と桂馬を跳ねます(図17)。確かに桂取りにもなっていますが、まさかここで桂馬を跳ねるとは思っていませんでした。以下は初心者の姫でも直ぐに気が付く非常に簡単な詰みですし、気が付かないと言う事はないと思うのですが、玉が詰めば終わりなのに桂馬の心配をしたとは思えませんので(△3三桂、▲同桂成、△同角で飛車取り、飛車が避ければ9九角成の順を見ていた?)、やはり気が付かなかったのでしょうか。

後手が詰めろを放っておいたため、以下、7一銀(図18)、9二玉、8二金まで(図19)。姫の勝利となりました。

途中、いくつか不可解な手があり、姫が強いと言うよりもロボット(コンピュータ)が弱いと言った印象を受けました。

46手目 後手4二香[本将棋 内藤九段将棋秘伝]

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図14) 46手目、後手4二香。

48手目 後手5二金[本将棋 内藤九段将棋秘伝]

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図15) 48手目、後手5二金。

51手目 先手4一飛[本将棋 内藤九段将棋秘伝]

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図16) 51手目、先手4一飛。

52手目 後手3三桂[本将棋 内藤九段将棋秘伝]

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図17) 52手目、後手3三桂。

53手目 先手7一銀[本将棋 内藤九段将棋秘伝]

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図18) 53手目、先手7一銀。

55手目 先手8二金[本将棋 内藤九段将棋秘伝]

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図19) 55手目、先手8二金まで。

先手の勝ち[本将棋 内藤九段将棋秘伝]

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図20) 先手(プレイヤー)の勝ち。

本将棋 内藤九段将棋秘伝 : 2戦目から4戦目

穴熊を指す

2回目以降は3戦連続で居飛車穴熊を指しました。本当は居飛車対居飛車の戦いがしたかったのですが、ロボット(コンピュータ)が3戦連続(初回も含めれば4戦連続)で飛車を振って来たため、対振り飛車の戦型を強いられたのですが、そこで初回プレイの時に指さなかった居飛車穴熊をと試してみました。

結果は3戦3勝。穴熊にしたものの姫の囲いは3戦とも手付かずたっだので...少し残念でした。

穴熊を囲うまでは一直線で囲う事が出来ました。姫の読んだ定跡書では振り飛車側は穴熊をすんなりと組ませないようにしたり、穴熊を好きに組ませてもその間に振り飛車側が有利になる構えを築いていたりと色々と工夫をするもののようでしたが、ロボット(コンピュータ)は振り飛車ばかり指して来る割には指し手に何の工夫も見られませんでした。

また、ロボット(コンピュータ)は囲いを桂馬の跳ねていない高美濃まで発展させた後は、桂馬を跳ねる事も、7筋の位を確保する事も、銀冠を目指す事もなく、7一金や7三金と言った囲いを攻略しやすくする手ばかりを指すようになります。姫にはロボットの考えている事がよく分かりませんでした...。

後手玉の詰みの形は3回とも同じような形になりました。ロボット(コンピュータ)は毎回同じ形の囲いを目指すのですが、それがあまり堅くない上に受けるべき時に受けない事が多く、詰めろすら受けずに放っておくため毎回同じような攻めで詰ます事が出来ました。飛車を1段目に置いて7一から王手をして9七の地点を塞いで8二に金か飛車を打つ...囲い崩しの定跡書に差異を交えて紹介されていたものがほとんどそのまま通用しました...。残念です。

3戦目(初回からの通算)、4戦目(初回からの通算)は3戦目が先手、4戦目が後手で指したのですが、後手番では金を6八に寄る手を省略して後は同じ手を指して行き、その結果、金が6八に寄っているか5二にあるかだけの違いで、後は後手玉の詰みまで全く同じ展開になりました...。(図22が3戦目、図23が4戦目です。自陣の金の位置が違うだけで後は手の進み方も含めて全く同じです。)ロボット(コンピュータ)があまり複雑な事は考えていないように見え、とても残念でした。

先手の勝ち[本将棋 内藤九段将棋秘伝]

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図21) 2戦目、飛車を1段目に置いての7一角打ちから9三の脱出路を塞ぐ手順での詰み。(この将棋では6一桂打ちで一度受けていはいるが...)ロボットは受けるべき場面においても受ける事が少なく、受けもても非常に甘い受けが多いように感じられた。

先手の勝ち[本将棋 内藤九段将棋秘伝]

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図22) 3戦目、詰め方は2戦目と同じ2戦目の終盤に比べると駒が豊富で強引にでも行けたが、これが一番速くて紛れがないように思えた。

先手の勝ち[本将棋 内藤九段将棋秘伝]

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図23) 4戦目、後手で指した将棋。6八に金を寄る手を省略した以外は4戦目と全く同じ手順で詰みまで進んだ。

本将棋 内藤九段将棋秘伝 : 5戦目

勝てなさそうな戦法を採用する

4回の対戦でロボット(コンピュータ)は攻撃力も守備力もかなり低いように感じられました。将棋のルールや駒の動かし方を昨日覚えたばかりで実戦経験の一切なかった姫がそう感じるのですから相当の低さのように思われます。実4回戦って4回とも姫の方の囲いは手付かずでしたし、受けらしい受けは数回見られた程度で、姫の攻め筋を受けなかったり、姫(初心者)でも直ぐに見えるような簡単な詰めろに対して受けを放棄する場面すらあり、まともに「将棋」を指していないようにさえ感じました。

そこで勝てなさそうな戦法を採用してみる事にしました。姫は初心者ですし、これで互角の将棋が楽しめるかも知れません。

右一間飛車

戦法は右一間に飛車を振って、その後、6段目に飛車を浮かせる戦法にしました。名前は分からないので「右一間飛車」と呼ぶ事に...。

駒組み

初手から▲1六歩、△3四歩、▲1五歩(図24)、△4四歩、▲9六歩(図25)、△9四歩、▲1八飛、△3二銀、▲9七角、(図26)、△4二玉、▲1六飛(図27)と進みました。

1手目1六歩、3手目1五歩と初手から右の端歩に2手かけた後、更に9六歩と左の端歩を突いています。今のところ効率の悪い手ばかり指しています。

更に両端の歩を突いてから飛車を1八飛と1筋に振り、その後、9七角と端から角を覗かせます。後手は飛車を振ろうとしているように見えましたが、この9七角に対して4二玉と玉で5筋を受けていました。

11手目、1六飛と浮いて先手の戦型の完成です。ここから囲いに入ります。

囲いは色々あると思いますが、飛車と角の形が不安定なので穴熊にする事にしました。そして、玉が潜る位置は1九も9九もありそうですが、ここは9九を選択しました。定跡を知らないのでこの辺りは何となくです。

以下、図28まで進み穴熊の完成です。

後手の囲いは(先手の9七角に対して5筋を受ける際に玉を上がって受けた影響からか)怪しげな囲いになっています。美濃囲いで飛車を囲っているような形です。玉と飛車の位置が逆ならまだ分かりますが...。

3手目 先手1五歩[本将棋 内藤九段将棋秘伝]

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図24) 3手目、先手1五歩。初手から1筋の歩に2手かけて端を伸ばす。

5手目 先手9六歩[本将棋 内藤九段将棋秘伝]

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図25) 5手目、先手9六歩。更に9筋の歩も突く。

9手目 先手9七角[本将棋 内藤九段将棋秘伝]

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図26) 9手目、先手9七角。1筋に飛車を振ってから9七から角を覗かせる。

11手目 先手1六飛[本将棋 内藤九段将棋秘伝]

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図27) 11手目、先手1六飛。飛車浮きで角頭を守る。

25手目 先手7九金[本将棋 内藤九段将棋秘伝]

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図28) 25手目、先手7九金。穴熊が一応の完成。

後手からの仕掛け

図28以下、△2四角、▲5八金、△9五歩(図29)と進みます。

後手2四角に対しては5八金と上がって5筋を受けておきます。

ここから時間があれば8六角、7六歩としてから角を5九にでも移動させようかと思っていました。そして場合によっては飛車を1八に戻してからどこか別の筋に振って飛車先を突いて行ったり、これは手数がかかるので無理かも知れませんが、金を6八に1つ寄せてから5手かけて右の銀を7八の地点まで運ぶと言う遠大な計画まで用意していました。元々形が悪いので(意図的にそうなるように指したのですが)どう指しても簡単に良くはならないとは思いますが、それがこの先の一応の構想でした。

しかし、ここで後手が9五歩と端から仕掛けて来たため、角を窮屈な場所から移動させたり、囲いに手数をかけて自己満足するために遊ぶ時間はなくなってしまいました。9筋は飛車の横利きがあるのでそこからは現在の状態では仕掛けて来ないと思っていたのですが...。

図29以下、▲同歩、△同香、▲9六歩、△同香、▲同飛(図30)と進みます。

先手は歩切れですが香車を手に入れ、飛車を成る手が残っています。

9筋から仕掛けられた時は「受かっているように見えて実は後手に何か良い手があるのかも」と、一瞬、思ったのですが...そのような事もなく十分に受かっていたようです。こうなると後手がなぜこのタイミングで端から仕掛けて来たのかに疑問が残ります。

28手目 後手9五歩[本将棋 内藤九段将棋秘伝]

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図29) 28手目、後手9五歩。後手が9筋から仕掛けて来る。

33手目 先手9六飛[本将棋 内藤九段将棋秘伝]

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図30) 33手目、先手9六飛。香車を取り、飛車の成り込みが残っている。

先手の勝ち

図30以下、9五に香車を打って成香と竜を作り、その後、竜を使って後手陣の左側で暴れ、81手目(図31)には先手の勝ちとなりました。

9五香もそうですが、成香と竜を作った後は特にベタベタと重たい手が続いて軽快さの欠片もない指し筋でした。一応、危な気なく勝つ事は出来ましたが...酷い手も沢山ありました...。

対戦相手(コンピュータ)の弱さ

姫の採用した戦型は良い戦型だとは思えません。飛車と角が窮屈で使い難く、初心者には向いていないと思われますし、かと言ってプロが指すような戦型ではないと思います。そもそも戦型と呼んで良いものかどうか...。そして、その中での姫の指し手はと言うと...褒められたものではなかったと思います。

ですが、それでも初心者の姫が全く苦戦する事なく楽々勝ててしまうのですから、これはもうコンピュータの弱さとしか言えないように思います。1日前に将棋を覚えた姫よりも「明らかに弱い」と言って良いと思います。

81手目 先手6二馬まで[本将棋 内藤九段将棋秘伝]

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図31) 81手目、先手6二馬まで。

先手の勝ち[本将棋 内藤九段将棋秘伝]

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図32) 先手(プレイヤー)の勝ち。

本将棋 内藤九段将棋秘伝 : 6戦目

歩と飛車と角しか使わない

対戦相手(コンピュータ)があまりにも弱いので今度はどこまで弱いのかと言う事が気になり、歩と飛車と角しか使わないで戦ってみる事にしました。

結果は65手目で姫の勝ちになりました。

姫の自陣は玉、金、銀、桂馬、香車は一切動かしませんでした。

この対局では後手(コンピュータ)は攻め筋の受けを放棄し、更に終盤では詰めろ(誰でも分かるような簡単な詰めろ)の受けまで放棄していました...。

図33の竜の頭にある歩は自玉の詰めろを無視して打った歩ですが、受けなければ自玉が簡単に詰んでしまうと言う状況からここに歩を打ってどうするつもりだったのか...姫には分かりません。自玉が取られている間に先手の竜を取ろうとしたのでしょうか...。

ロボット(コンピュータ)が詰めろの受けを放棄するは既に毎度の事となっていますが、玉の命よりも優先するものはないと思っている姫にとっては、コンピュータがなぜ詰めろの受けを放棄するのか、なぜ玉の詰みを避ける事を最優先に考えないのか、理解に苦しむところです...。

他の対局も見るとロボット(コンピュータ)は王手をされた場合には逃げるか受けるかしていますので、王手をされた場合にだけ対処すれば良いと思っているのでしょうか...それとも本当に簡単な詰めろが見えていないのでしょうか...。

65手目 先手8二金まで 先手の勝ち[本将棋 内藤九段将棋秘伝]

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図33) 65手目、先手8二金まで。先手(プレイヤー)の勝ち。竜の頭にある後手の歩は後手が自玉の詰めろを無視して打ったものであり、詰めろの無視を行うのは相変わらず。

本将棋 内藤九段将棋秘伝 : まとめ

6戦6勝

6回対局して6回とも勝利を収める事が出来ました。ですが、これは姫が強いと言うよりもコンピュータが弱いだけだと思います。1日前に本で将棋を勉強しただけの姫が楽々と勝ててしまうのですから...。

勝つ事は悪い気分ではありませんが、対戦相手はもっと強い方が楽しめるのではないかと思いました。

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