マッピー(ナムコ) : 感想・レビュー [ファミコン]

マッピー : 感想・レビュー

ゲーム性の多いアクションゲーム

「マッピー(ナムコ)」は基本的な動作は廊下を走る横移動とトランポリンの縦移動だけと単純なものになっていますが、指先の技術、瞬時の判断能力、先読みが必要であったり、敵キャラに対抗する手段の多さ、時間の経過による敵キャラの追加や速度の向上、取る順序によって得点に影響が出るターゲットなどの点を見ても今までのファミコンの中では最もゲーム性の豊かなアクションゲームになっているのではないかと思います。

対抗手段の多さ

これまでのアクションゲームは大抵は敵キャラに対抗する手段が1つか2つでしたが、「マッピー(ナムコ)」ではドアアタック、ボディアタック、パワードア、ベル、落とし穴と対抗手段が豊富になっています。

特にパワードアやベルは敵キャラを一網打尽にする事も出来、それなりの爽快感もあります。

敵キャラの追加と速度の変化

敵キャラは面が進むに連れて移動速度が上がります。また、最初は3匹だったミューキーズは途中の面から4匹になります。

面の途中では一定時間が過ぎると「HURRY」の表示と共にミューキーズが1匹追加され、敵キャラの移動速度が上がり、更に一定時間が過ぎるとご先祖様が登場するようになっています。

基本的には短時間でのクリアを目指すのですが、意図的に面に長い時間滞在して「HURRY」を待ち、難度の上がったラウンドを楽しむと言う遊び方もあると思います。

ターゲットの取る順番と得点の変化

高得点を狙う場合、ターゲットは取る順番が重要になって来ます。

ターゲットは同じ種類のものを連続で取ると得点が高くなります。1つ目のペアを連続で取ると得点が2倍、2つ目のペアを連続で取ると得点が3倍と倍率が増えて行き、5つ目のペアを連続で取ると得点が6倍になります。そのためターゲットはラジカセ(100点)、テレビ(200点)、マイコン(300点)、モナリザ(400点)、金庫(500点)の順番で取るのが最も高得点になります。

勿論、ターゲットは順番(得点)など気にせずに自由に取って行く事も出来るのですが、この順番で取って行く事を自分に課す事でゲームに面白味を上乗せする事が出来ます。その分、難度が上がるので死亡しやすくもなるのですが...。

軽快な背景音楽(BGM)

これまでのファミコンのゲームでは音楽が軽視されていた感があり、プレイ中は効果音だけで音楽がないか、あってもメロディラインの弱い単純な音の繰り返しで雰囲気を演出するだけのものに留まっていたのですが、この「マッピー(ナムコ)」ではプレイ中にまともな音楽(きちんとしたメロディラインを持った曲)が流れていました。

ゲームでは音楽はないに等しい状態が当たり前だと思っていた姫には少し驚きでした。

ボーナスステージ

ボーナスステージはゆったりした感じになっていて、通常面と比べると少し退屈なものになっています。面のタイプは4つあるようですが、どれもそれほど違いはなく、もう少しボーナスステージも楽しめるような工夫があった方が良かったのではないかと思います。

全体的な目的がない

各面の目的はニャームコ達から盗品を取り戻す事なのですが、全体的な目的はなく、どこまで行っても盗品を取り返し続けるだけのゲーム内容になっています。プレイヤー側で「何面まで行けるか」、「何点取れるか」などの独自の目的を設ける事は出来ますが、やはりゲーム側で各面での目的とは別の大きな目的も用意して欲しかったです。

エンディングがない

全体的な目的がないので当然かも知れませんが、エンディングもありません。プレイヤーはどこまで行っても何の区切りもなく同じ事を繰り返す事になります。

面クリか得点か

高得点を狙って行く場合はターゲットを取る順番を気にしなければならないのですが、面の構造が複雑になるとターゲットを得点効率の良い順番に取って行く事が難しくなり、姫のような初心者はそれによって死亡する確率も高くなります。

逆に得点を捨てて面クリ重視にすると面をクリアするのは幾分か簡単になり、死亡率も下がります。しかし、今度はゲームが途端に面白味のないものへと変わってしまいます...。

「マッピー(ナムコ)」はただクリアする事ではなく、ターゲットを出来る限り順番に取りながら進んで行こうとするところにその楽しさがあると感じています。なので、面クリ重視にすると多くの面を進む事は出来るけど退屈に、ターゲットの順番を重視するとゲーム性は上がるものの難度が上がり死亡しやすくなると言う事になります。後者で死亡しなければ最も良いと言えるのですが、初心者の場合は面白味を捨てて面クリして行くか、面白味を味わいながら短く生きるかの二択になってしまいます。

姫の場合は最初の方では出来る限り高得点を狙って行き、面が進んで難度が上がり死亡しやすくなって来たら得点よりも命を優先するようにしてプレイしています。

総合評価 : 26点

「マッピー(ナムコ)」の総合評価は26点です。

アクションゲームとしては今までの中では面白い方でした。音楽も始めてきちんとした背景音楽(BGM)が付いた作品だと思います。

しかし、最終的な目的も何らかの区切りもなく、「ある程度進んだら後は難易度を変えて同じ事の繰り返し」と言う達成感の得られないお決まりのパターンだったので少し点数を低く付けました。その辺りが工夫されていれば30点くらいにはなったと思います。

TOPへ