ナッツ&ミルク(ハドソン) : 感想・レビュー [ファミコン]

ナッツ&ミルク : 感想・レビュー

初のサードパーティーメーカー

今までのファミコンゲームはどれも任天堂の作ったゲームでしたが、この「ナッツ&ミルク(ハドソン)」を作ったのはハドソンと言うメーカーで、任天堂以外の初めてのファミコンゲームと言う事になります。

全50面のアクションゲーム

姫が今までにプレイしたアクションゲーム...「ドンキーコング(任天堂)」、「ドンキーコングJR.(任天堂)」、「ポパイ(任天堂)」、「マリオブラザーズ(任天堂)」、「ドンキーコング3(任天堂)」...では少ない面数を繰り返すのが常識だったので、50の違った面が用意されている事には驚きました。

  • ドンキーコング : 3面ループ
  • ドンキーコングJR. : 4面ループ
  • ポパイ : 3面ループ
  • マリオブラザーズ : どこまでも同じような面の繰り返し
  • ドンキーコング3 : 3つの面パターンの繰り返し

1周終えると難易度を上げて最初に戻り、後は同じ事の繰り返し...と言う形式は今までにも多く見られた形で、それは「ナッツ&ミルク(ハドソン)」でも変わらないのですが、形式こそ同じでも「ナッツ&ミルク」は1周が50面もあるため少なくとも最初の50面を突破するまではゲームに対するやる気は保っていられました。逆に50面もあるためそれを乗り越えた後の2周目はあまり積極的にプレイしようとは思いませんでしたが...それでも3面ループや4面ループで2、3周目には飽きが来てしまうのよりは長く遊べると言えます。

面数の少なさに不満を抱いていた姫にとっては嬉しい改善です。

ボーナスステージ

「ナッツ&ミルク(ハドソン)」にはボーナスステージが用意されています。

ボーナスステージがあるゲームは「マリオブラザーズ(任天堂)」、「ピンボール(任天堂)」以来の事ですが、これらではボーナスステージはただボーナス点が得られるだけの面だったの対し、「ナッツ&ミルク(ハドソン)」のボーナスステージはボーナスの取得に成功するとーナス点が与えられると同時に残り自機数が1アップするようになっています。

これは姫のような直ぐに死亡してしまうゲーム初心者にとっては、やる気の喚起してくれる要素になると言えます。特に残り機数の少ない時には(難易度が低目なためそのような事は滅多にないかも知れませんが)ボーナスステージへの到達や成功は1つの目標になります。これと比べると「マリオブラザーズ」、「ピンボール」のボーナスステージは得点にあまり興味のない姫にとっては成功しても失敗してもどちらでも良いただの通過面だったような気がします。

エンディング

50面クリア後にエンディングが用意されていますが、メッセージ画面が出るだけの小さなエンディングで、50面クリアした後のエンディングにしては簡単に済ませ過ぎのように感じました。

エディット機能

「ナッツ&ミルク(ハドソン)」にはファミコン初のエディット機能が付いています。エディット機能で作ったオリジナルの面は通常の1面の代わりの面としてプレイ出来るようになっています。

自分で作った面を自分で挑戦したり、友達に挑戦させたり、友達の作った面に挑戦したり、(それほど盛り上がると言う訳ではないかも知れませんが、)遊び方は色々あると思います。普通にゲームをプレイするよりも遊ぶべる幅が広くなっていて、少しお得な感じがします。

メーカーの違いによるものかは分かりませんが、「ナッツ&ミルク」には任天堂の作るゲームとは違った感覚を感じました。

難易度

難易度は各面も全体的にも低いように感じられました。姫のようなゲーム初心者でも初回プレイで100面(2周)以上進む事が出来るほどです。たまに死亡する事はあありますが、ボーナスステージの成功によって1UP出来るため簡単な事ではゲームオーバーにならないようになっています。(結局、初回プレイではどこまで進んでもゲームオーバーになりそうもなく最後はリセットでゲームを終了しました...。)

各面の難易度が低い状態での「ボーナスステージの成功による1UP」はゲーム全体の難易度を落とす要因になっているものと思われます。「ボーナスステージの成功による1UP」を組み込んだ事自体は決して悪い考えではないと思うのですが...この場合はそれは悪い方に働いてしまっているようです。1UPしやすい分だけ各面の難易度を上げてバランスを取る必要があったと思います。

ファイヤーボールの描画

「ナッツ&ミルク(ハドソン)」のボーナスステージではファイヤーボール(赤/緑)が出現しますが、これがどう見ても「マリオブラザーズ(任天堂)」の通常面で見られたそれにしか見えず、少し気になりました...蛇行する動きまで似ています...。

「マリオブラザーズ」は任天堂ですし、「ナッツ&ミルク」はハドソンと言う別のメーカーです...。それなのにどうしてここまで同じようなものが見られるのか...。偶然にも同じデザインになってしまい、しかも「マリオブラザーズ」にそれが登場している事を知らずに作品を発表してしまった...と言う事なのか...それとも盗用なのか...。後者であっては欲しくないものです...。

総合評価 : 30点

「ナッツ&ミルク(ハドソン)」の総合評価は30点です。今までの中で最も高い評価になりました。

この評価には全50面、エディット機能と言う真新しい部分に対する評価も多く含まれています。純粋に面白さだけに絞って言うと...アクションゲームとしての楽しさでは今までのゲームの中では最も楽しいと感じたものの、それは今までのゲーム(あまりに楽しさの少ないゲーム)と比べての事であって、楽しさの程度で言えばそれほど楽しいとは思えなかったと言うのが正直なところです。

難易度が低いのも少し物足りないように感じられ、少々残念に思いました。姫にとってはもう少し難しい方が良かったと思います。

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