ルート16ターボ(サンソフト) : 感想・レビュー [ファミコン]

ルート16ターボ : 感想・レビュー

単純なゲーム性

「ルート16ターボ(サンソフト)」は回収対象アイテムを回収して行く中で敵車を振り切るためにターボを上手く利用したり、メイズの地形や敵車の挙動の性質を利用したりと言った楽しみ方があり、「ただ回収対象アイテムを回収して行くだけのゲーム」ではないのですが、それでもゲーム性としては単純だと言えると思います。

その単純さが良い場合(面白さに繫がるなど)もあるとは思いますが、「ルート16ターボ(サンソフト)」では単純さが作り出す良い面よりも物足りなさの方を強く感じました。

楽しさがあまり感じられない

回収順序を考えてプレイしたり、地形の利用や敵車の誘導などを考えながらプレイするのは、本来であれば姫の好みに合っているはずなのですが、この「ルート16ターボ(サンソフト)」ではそう言った面での楽しさをあまり感じませんでした。

ラウンド9で行き止まり

姫は初回プレイ(イージーモード)でラウンド9まで進み、回収対象アイテムを全て回収したのですが...本来ならそこでクリアとなるはずがクリアとはならず、その後、延々とマップ内を彷徨わされました...。最後は意図的に自機を敵キャラに接触させ、残りの自機を全てクラッシュさせ自らゲームオーバーにしています...。どうやらクリア不可能の行き止まり状態だったようです...。

初回プレイでこのような事があったため、2回目のプレイをする意欲が全く沸かず、初回プレイで挑戦を打ち切っています。

「クリア不可能の行き止まり」になっているのはプレイヤーにとっては酷い仕打ちなのではないかと思いました。

ラウンド9 回収対象アイテムを全て回収してもクリア出来ない[ルート16ターボ]

[ルート16ターボ]

ラウンド9で回収対象アイテムを全て回収したが、ラウンドクリアとはならず、燃料が枯渇した後も延々と彷徨わされる事になる。最後は残り機数を自殺で処理して(意図的に自機を敵車に接触させて)ゲームオーバー...。

3つの難易度

「ルート16ターボ(サンソフト)」にはイージー、ノーマル、ディフィカルトの3つの難易度が用意されています。

イージーモードで行き止まりを経験した後、確認のためにノーマルモードとディフィカルトモードを少しだけプレイしたのですが、それぞれのモードでは敵車の移動速度が違うだけのようです。

難易度の違いの出し方にはもう少し工夫があっても良かったのではないかと思います。(ノーマルモードとディフィカルトモードは少しプレイしたところで中断していますので、その後に何か違う点が用意されているかどうかまでは分かりません。プレイ意欲が残っていればノーマルモードとディフィカルトモードもきちんと挑戦していたかも知れませんが...ラウンド9の行き止まりで彷徨い続けさせられた姫には無理でした...。)

マッド・エックス

マッド・エックス(自機)を始めて見た時には「ロードファイター(コナミ)」の青い車のように見えました。勿論、よく見ると違うのでしょうけれど...。

マッド・エックスは車幅とほぼ同じ幅の通路でも180度のターンを行い急速に進行方向を変える事が可能であり、初めて操作した時にはその旋回能力の高さに驚かされました。

マッド・エックスは燃料が切れた後はターボ(ブーストと呼んだ方が適切かも知れません)が使用出来なくなるだけで通常走行は可能なのですが、この燃料は通常走行時にも消費されている事から通常走行にも必要なものだと思われ、それが切れてもなお走行が可能となっている点は不思議に感じました。(姫がこれまでにプレイしたゲームを見ると、「ロードファイター(コナミ)」、「ジッピーレース(アイレム)」であれば走行不可能状態でゲームオーバーになっているところです。)

姫は最近ではゲームの感覚に随分と慣れて来たと自分では思っているのですが、こう言ったところ(180度ターンや燃料枯渇状態での走行)を見ると未だに「どうなっているのだろう?」と思ってしまいます。あやちゃんには「まだまだ修行が足りない。」と言われました...。そうなのかも知れません...。

縮小マップと拡大マップの切り替え

「ルート16ターボ(サンソフト)」で特徴的なのはレーダーモードとメイズモードのマップ切り替えです。

ここまでのファミコンのゲームを見ると、縮小マップと拡大マップのマップの切り替えがあったゲームは「ベースボール(任天堂)」と「ゴルフ(任天堂)」の2本だけ()ですが、「ベースボール」は内外野と内野のみの自動切り替え、「ゴルフ」はコースとグリーンの切り替えであり、縮小マップをフィールドマップにして拡大マップへと自由に行き来が出来るようになっているのはこの「ルート16ターボ」がファミコン初だと言えます。

(ピンボール(任天堂)」ではピンボール台とボーナスステージの切り替えがありましたが、これは空間的な繫がりのある場所に対しての拡大縮小の切り替えではなく別ステージへの移動と言う事で、少し違うように思います。また、「スーパーマリオブラザーズ(任天堂)」ではメインルートと別ルートの行き来がありましたが、こちらも縮小マップと拡大マップの切り替えではありません。)

大小マップを切り替える手法は、いくつものマップ間を行き来する方法の1つとしては良い方法のように思いました。

レーダーマップの描画

「レーダーモード」の描画は16個のメイズが並ぶ画面に自車、敵車、回収アイテムの現在位置が点状態で表示されているだけの非常に簡素なものでした。

「レーダーモード」はレーダーと言う事では機能的には自車、敵車、回収アイテムの現在位置が分かれば十分ですし、描画を重視する必要はないと言えるのですが、「レーダーモード」が単なるレーダーではなくレーダーであると同時に移動マップでもあると言う事を考えると、これは寂し過ぎるのではないかと思います。

姫はゲームは見栄えではないと思いますし、これまでもゲームに見栄えを求める事はほとんどありませんでした。「レーダーモード」に就いても画面を派手にすれば良いなどとは思っていません。ですが、(音楽もそうですが)描画から来るゲームの雰囲気は大切だと思いますので、移動マップとしてはもう少し工夫があっても良かったのではないかと思います。

背景音楽(BGM)

背景音楽(BGM)はイージー、ノーマル、ディフィカルトのモード毎に異なるものが使われていました。難易度で曲を変える試みはあっても悪くはないと思います。ただ、個人的にはどの曲も好みとは言えませんでした。

また、モードによって背景音楽(BGM)は異なるものの、どのモードもプレイ中に1曲しか使われていないのは残念でした。(クリア時には別の短い曲が流れますがプレイ中は1つの曲が流れ続けているだけです。)例えば、「ファルグを取った後の効果時間は曲が変わる」、「燃料が切れたら曲が変わる」などもあったのではないかと思います。

(あやちゃんには「曲が気に入らないなら(テレビの)音量をゼロにして部屋の中に「よろしくチューニング」でもリピートで流せ。」と言われました。「よろしくメカドック」のオープニングだと言っていました...。「よろしくメカドック」が何なのか姫には分かりませんが、ただ、プレイ中に別の曲を流すのはゲームを作った人に対して失礼ではないかと思い、これは行いませんでした。発想を自由に働かせるのは素晴らしい事だとは思いますが...。)

古さが感じられる

「ルート16ターボ」は1985年の同時期に発売されているゲームと比較すると部分的にも全体的にも「古さ」があるように感じられました。基本的には「パックマン(ナムコ)」をやや発展させただけのように見えます。

ゲーム内には「© 1985 SUN SOFT」としかありませんが、カセットの裏には「© 1981 1985 SUN ELECTRONICS CORP.」と言う表記が見られ、もしかすると1981年に何らかの形で存在していたのかも知れません。姫には調べる手立てがないので臆測でしかないのですが。

総合評価 : 6点

「ルート16ターボ(サンソフト)」の総合評価は6点です。

「ラウンド9でクリア不可能の行き止まり」と言うのが評価を大きく落とす要因になっています。ゲーム全体としてはプレイしていても楽しく感じられなかったため、それがなくても高い評価にはならなかったと思いますが。

メイズの地形を利用したり、敵車を誘導したり...と言った事を考えながらプレイ出来るのは良いと思いました。ただ、今までのゲーム体験を振り返ると姫はそう言った類のものが好きなはずなのですが、この「ルート16ターボ」ではそれを楽しいとは感じませんでした。これはそのまま「ルート16ターボ」全体の印象にもなっています。

後は(と言うか、これも)個人的な好みの問題ですが、背景音楽(BGM)が3モードとも妙な事とレーダーモードの描画が簡素過ぎる事が気になりました。背景音楽(BGM)に就いてはどれも好きにはなれませんでした。レーダーモードは移動中に寂しさを感じてしまいました。

面白さや楽しさを感じられないゲーム内容に加え、「行き止まり」で延々と彷徨わされた事もあり、総合評価は6点です。

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