スカイデストロイヤー(タイトー) : 感想・レビュー [ファミコン]

スカイデストロイヤー : 感想・レビュー

疑似3Dシューティングゲーム

「スカイデストロイヤー(タイトー)」は疑似3Dシューティングゲームになっています。姫がこれまでにプレイしたゲームの中では「ゲイモス(アスキー)」が近いと思います。

弾道の見極め

「ゲイモス」の時もそうでしたが、「スカイデストロイヤー」では自弾が敵機に当たるか当たらないかの見極め、敵弾が自機に当たるか当たらないかの見極めが難しく感じました。

これは疑似3D型全般に言える特徴なのか、「ゲイモス」や「スカイデストロイヤー」の作りが悪いためなのか、それとも単に姫の能力が低いだけなのか...。いずれにしても(姫の能力が極端に低いにしても)、当たる当たらないの判断をもう少し容易に出来るようにしておいて欲しかったです。

面構成

1つのシーンは日中から始まり、夕方、夜、夜明け後の日中と進みます。夜明け後の日中には海上要塞が出現し、その破壊に成功するとシーンのクリアとなります。

日中、夕方、夜、夜明け後の日中と時間帯が移って行くのは変化があって良いと思いました。ただ、変化とは言っても画面の配色が変化するだけで、夜明け後の日中に海上要塞が登場する以外は、どの時間帯も全く同じ内容になっていました。

海上要塞破壊後はボーナスステージを挟んで次のシーンへと移りますが、進んだ先は難易度が上がっているだけで同じ事の繰り返しになっていました。シーンをクリアして先に進みたいと思わせる工夫が全く見られませんでした。

背景音楽(BGM)

プレイ中は背景音楽(BGM)が流れませんでした。ただ、この「スカイデストロイヤー(タイトー)」ではそれも良いと言えるのかも知れません。その方が零式戦闘機の飛ぶ音や機銃の音が印象的になります。寂しく響く零式戦闘機の音、戦場の音は意図的な演出にも思えます。好き嫌いだけで言えば姫は音楽が付いていた方が好きですが。

面白さや遣り甲斐が見出せないゲーム

「スカイデストロイヤー(タイトー)」は出現した敵機、敵艦を撃墜、撃沈して行くだけのゲームだと言え、そこに面白さや遣り甲斐は感じられませんでした。

トップビュー型を比較に持ち出すのは適切ではないと思いますし、ゲーム初心者の姫にはそれが疑似3D型で可能かどうかは分かりませんが、せめて「スターフォース(ハドソン)」のような爽快感があれば良かったと思います。(爽快感を作り出す前に、プレイヤーに(少なくとも姫に)軽度のストレスを感じさせる敵弾の当たりの分かり難さ、自弾の当たりの分かり難さを改善させる必要はありそうですが。)

シーン内(時間帯によって配色が変わるだけで内容は同じ)、シーン毎(前のシーンと同じ内容の繰り返し)の変化がなく、同じ事を繰り返し続けて行くだけのゲーム構成は好みに合っているとは言えませんでした。ゲーム内容が面白い、楽しいと感じられるものではない上、シーンが進んでも難易度が上がる以外の変化は見られず、同じ事の繰り返し...先を目指す意欲を保つ事が難しいゲームであるように感じました。

ゲーム内には多少の工夫は見られますが、例えば...時間帯が切り替わる前には赤い戦闘機が出現し、撃ち逃しがあると次の時間帯で連射速度が低速になる...と言うのも素手の連打で十分に補えるものであるため、敵機の全滅に失敗しても気なりませんし(全滅を狙う意味が薄いと言えます)、シーンの終わりにはボスキャラとして敵海上要塞が出現しますが、これは、それほど盛り上がるものではありません。(シーンによって海上要塞のデザインや配色は違いますが、それもそれだけです。)どこにも夢中になれる要素が見当たりませんでした。

描画

撃墜した敵機が(遠方の場合)墜落して行くところが描画されていたり、自機が被弾した際に翼から煙が上がった状態で墜落して行ったり、海面への墜落時に大きな水飛沫が上がったり...と、部分的な視覚面ではより良くしようとする工夫が見られます。

だた、ゲーム内容が面白い上に描画も良ければ「なお良し」だとは思いますが、ゲーム的な面白さを欠いた上で描画が良くてもあまり意味がないと思いました。部分的な描画にアイディアを入れるよりも先ずはゲーム内容だと思います。

総合評価 : 5点

「スカイデストロイヤー(タイトー)」の総合評価は5点です。

姫には「面白いとは言えない内容を延々と繰り返し続けて行くだけのゲーム」にしか感じられませんでした。ゲーム内には姫が夢中になれるような要素が1つもなく、プレイ意欲の枯渇を迎えるまでが非常に早かったです。

零式戦闘機が炎上して墜落して行ったり、墜落時に大きな水飛沫が上がるところを描画しているのは良いと思いました。ただ、ゲームが面白い上で色々と工夫されているならそれは作品を更に良い方向へと進める要素になると思いますが、面白さを欠いた中で部分的な視覚的要素にアイディアを入れてもゲームを良い方向へと引っ張る作用は(ゲームが面白い上でのそれに比べ、)あまり得られないように思います。先ずはゲームをプレイした人が楽しめる事が大切であり、部分的な視覚的要素はそれがあってからの事だと思います。

姫はゲームでは全てのジャンルが苦手だと言えるのですが、中でも疑似3D型シューティングは特に苦手に感じています。そのため他のジャンルのゲームよりも「面白さを感じ難い」と言うところはあったと思います。その中で感じたままの面白さを基準に5点と言う点数を付けました。

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