アイスクライマー(任天堂) : 感想・レビュー [ファミコン]

アイスクライマー : 感想・レビュー

気にしなければならない要素の多いゲーム

「アイスクライマー(任天堂)」はプレイ中には左右、頭上、足元、足場の状況、タイミング、時間、通るルート、ジャンプ操作などの多くの要素を気にする必要があり、姫のようなゲーム初心者にはプレイするのが難しいと言えるゲームでした。

中でもこれらの要素が多く複合している場面では難しさが増し、例えば、上の段に上がる際に...雲に乗るタイミング、上の段の足場を崩すタイミング、上る地点の安全、失敗した時の落下地点の安全、頭上や空中に障害はないか...などを一度に判断対象にしなければならないような場面もありました。そして全てがクリアーだと思って上の段を目指すと...最後の最後でジャンプのタイミングや角度を間違えて失敗...次の雲に乗る前に上の段の崩れがトッピーによって埋められ、また最初から挑戦していたらその内にホワイトベアが出て来て画面を送られ死亡...と言う事もありました...。

操作の難しいジャンプ

姫が最も不満を感じたのはジャンプの振る舞いです。このジャンプは非常に操り難く感じられました。しかも、「アイスクライマー(任天堂)」の基本動作は左右の移動とジャンプであり、プレイ中はほとんどの場面でこのジャンプに付き合わされる事になります。そのためプレイ中は常に不満を感じながらのプレイを強いられていました。結局、最後まで好きになれませんでした。

また、この操り難いジャンプが「アイスクライマー(任天堂)」の難易度を上げている原因の1つでもあると思いますが、ゲーム性の部分によってではなく、自機の操り難さによって難度が上がってしまっているのは余計だったような気がします。

あやちゃんが言うにはこの操り難いジャンプジャンプをまともなものに変えてしまうと「アイスクライマー」が「アイスクライマー」ではなくなってしまうそうです。この操り難いジャンプも含めて「アイスクライマー」だと力説していました。しかし、それは慣れてしまった後の話で姫のようなゲーム初心者で始めて「アイスクライマー」をプレイした人間にとっては何がアイスクライマーらしいのかは全く関係ありません。操り難いジャンプは単なる苦痛の源でしかないと思います。

それでも楽しめるゲーム

姫のようなゲーム初心者には遊ぶのが難しいゲームですが、それでも難易度は高いとは言えず、(姫の腕でも2回のゲームオーバーで32面を突破出来ましたので)楽しむには丁度良いように感じられました。勿論、個別の箇所を見れば難しいと感じるところもありましたが、それもストレスを感じない程度の難易度でした。

前述のようにジャンプの振る舞いに関しては大きな不満を感じますが、それを差し引いても楽しめるゲームだと思います。

縦スクロールと2人同時プレイ

2人同時プレイは特に楽しく遊ぶ事が出来ました。協力したり、殺し合ったりと...。

あやちゃんの性格からして主に殺し合いだったのですが、死亡するのは多くの場合が姫でした。そのため途中からは山毎に協力(停戦)と殺し合いを交互にするようにし、それ以降は姫もそれなりに楽しむ事が出来ました。

姫はあやちゃんと比べて段を上るのが遅く、先に上に登ったあやちゃんに段送りをされて殺される場面が目立ちました。あやちゃん曰く、「修行が足りん。」そうです...。

任天堂

任天堂は「バルーンファイト(任天堂)」に続いての「アイスクライマー(任天堂)」ですが...あれほど不発続きだったのにもかかわらず、ここに来て2つ連続で楽しめるゲームを出して来た事になります。

今までの任天堂からすると任天堂らしくないと言う事になりますが、任天堂が多少なりとも面白いゲームを作る事が出来るようになって来たのはゲームをプレイする人間からすると良い事だと思います。

山を登ると言うだけの事にアイディアを詰められるだけ詰めたと言う感じもしますが、それが良い方向に出たのではないかと思います。

総合評価 : 32点

「アイスクライマー(任天堂)」の総合評価は32点です。

1人プレイはそこそこ面白く、2人プレイはそれよりも楽しめました。ただ、ジャンプ時の振る舞いは姫の好みには合っていないように感じます。自機の操作の感覚が改善されていればもう少し高い点を付けたと思います。

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