プーヤン(ハドソン) : 感想・レビュー [ファミコン]

プーヤン : 感想・レビュー

固定画面サイドビュー型のシューティングゲーム

「プーヤン(ハドソン)」は固定画面サイドビュー型のシューティングゲームになっています。

サイドビュー型のシューティングゲームにはこれまで「フォーメーションZ(ジャレコ)」がありましたが、「フォーメーションZ」は右方向スクロール型のシューティングゲームであり、固定画面でのサイドビュー型シューティングゲームとなるとこの「プーヤン」がファミコン初になります。

右側に構える左向きの自機

「プーヤン(ハドソン)」は自機が右側、目的方向が左側と言う形になっています。

今まで「自機の目的方向が決まっているサイドビュー型」のゲームには「エキサイトバイク(任天堂)」、「フォーメーションZ」、「スーパーマリオブラザーズ(任天堂)」がありましたが、これらはどれも自機の基本位置が左側、目的方向が右側と言う形でした。「プーヤン」の自機が右側、目的方向が左側と言うのはファミコン初の形です。

左右の違いは上下の違いに比べれば(例えばトップビュー型のゲームで自機が上、目的方向が下になるような事に比べれば)プレイヤーのに与える感覚的影響は少ないと思われますが、今までのゲーム(自機の目的方向が決まっているサイドビュー型)によって自機が左側、目的方向が右側と言う形に慣れてしまったせいか、「プーヤン」の「右側が自機、左側が目的方向」と言う形には最後まで不思議な感覚がなくなりませんでした。

動ける範囲が少ない自機

「プーヤン(ハドソン)」では自機は決められた範囲内での上下移動しか出来ません。

「自機の動く方向が2方向に限定されているシューティングゲーム」はこれまでに「ギャラクシアン(ナムコ)」、「ギャラガ(ナムコ)」、「スペースインベーダー(タイトー)」の3作品をプレイしましたが、姫はどれも苦手でした。そして、(サイドビューとトップビューの違いはありますが、)この「プーヤン」でもそれは変わりませんでした。

姫は、苦手と言う事もありますが、この自機の移動方向が2方向だけと言うのはあまり好きではないようです。

奇数面と偶数面

「プーヤン(ハドソン)」では奇数面と偶数面とでゲームの形式が異なっています。

奇数面は降下するオオカミを撃ち落として行く面になっています。オオカミを撃ち落とし損ねるとそれだけ自機の活動が制限されて行きます。但し、撃ち落とし損ねによって制限が大きくなるのは4匹までであり、それ以上は撃ち落とし損ねがあっても制限の大きさは変化しません。

偶数面は上昇するオオカミを撃ち落として行く面になっています。撃ち落とし損ねによって自機の活動が制限される事はありませんが、撃ち落とし損ねのオオカミが7匹に達すると自機を死亡へと導く仕掛けが実行されます。

撃ち落とし損ねても自機の活動が制限されるだけでその後を凌げば何とかなると言うのと撃ち落とし損ねが溜まると死亡が避けられないと言うのでは敵キャラを倒す事への感覚や駆け引きや緊張感が大きく違うように感じました。敵キャラの移動方向以外の違いを生み出す工夫がされていると言えます。

また、奇数面と偶数面では偶数面の方が難しく、(姫の腕のなさが原因かもしれませんが、姫がプレイ中に死亡したのはほとんどが偶数面でした。)ゲーム形式の違いが難易度の違いにもなっているように感じました。

テクニック

矢は直線的に使うだけでなく、狼に当てて落下させる事で狼の下方の狼や風船やフルーツを狙う事が出来ますし、肉は風船に当てて跳ね返らせる事で肉の本来の軌道上ではないところにいるオオカミやフルーツを狙う事が出来ます。

これらは本来であれば「矢が風船を外してしまった」、「肉の軌道が風船に当たって変わってしまった」となるところですが、それをテクニック(意識的に使える技)として利用出来るように組み込んであるのは良い工夫だと思いました。

これらを意識的に使えるようになると少し上手くなったような気分が味わえます。

フルーツターゲットの格上げ

フルーツターゲットは連続して撃ち落として行くと格上げされるようになっています。

得点を気にせずプレイする事が多い姫はこの手のもの(ゲームの本筋とは関係ないボーナス要素)を無視しがちなのですが、このゲームではフルーツターゲットをどこまで格上げして行けるか、次のボーナスターゲットは何か...と気になり、優先的に狙ってしまう場面もありました。

本筋とは別に楽しむための要素として組み込まれたボーナスの中では今までで最も気にかけたボーナスだったと思います。こう言う要素(仕組み)はあっても良いと思いました。

直ぐに達成される主目的

主目的である「プーヤンの救出」は偶数面をクリアした時点で達成されます。

2面毎に主目的が達成されるようになっているため、それに対しての達成感や喜びのようなものは全く感じられず、実質的には「無目的で面数や得点を目指すゲーム」と変わりないと言って良いと思います。少なくとも姫はそう感じました。

背景音楽(BGM)

ステージ内の背景音楽(BGM)にはユーモレスクがアレンジされた形で使われていました。

ユーモレスクのアレンジ方向や出来に対する良し悪しは別にして、アレンジ後の軽快な音楽はこのゲームに合っているように感じました。

裏技

「プーヤン(ハドソン)」では色々な隠しキャラが出現します。これらは意識的に組み込まれたもの(と考えるのが妥当)ですが、「裏技もゲームの面白さや楽しみの一部」になって来ているのかも知れません。

印象的だったママの顔

ゲームの中で印象的だったのはママ(自機)の表情です。

ママは目を吊り上げた表情で弓を構え、そこから口を大きく開けて矢を放ちます。その表情は子供を奪われた怒りを露にしているように見えました。

オオカミ達の風船で下りたり上ったりする姿や、大岩を落とした後に万歳をしている姿が緊張感に欠けているように感じられる事もあり、ママの怒りに満ちた表情が余計に引き立って見えました。

怒りに満ちたママの顔[プーヤン]

[プーヤン]

釣り上がった目と大きく開いた口。怒りに満ちたママの顔が印象的だった。

総合評価 : 25点

「プーヤン(ハドソン)」の総合評価は25点です。

「自機の移動方向が2方向のシューティングゲーム」としてはこれまでのゲームの中で最も工夫され、最もゲーム性の高いゲームだと言えると思います。

ただ、やはり姫はこの形のシューティングゲーム(自機の移動方向が2方向しかないシューティングゲーム)を、姫がそれを苦手にしていると言う事を除いても、あまり面白いとは感じないようです。

工夫されていてそれなりに遊ぶ事が出来るもののそれほど面白いとは言えないゲーム...と言う事で25点にしました。

TOPへ