スパルタンX(任天堂) : 感想・レビュー [ファミコン]

スパルタンX : 感想・レビュー

雑魚キャラを倒して進みボスキャラと対決

「スパルタンX(任天堂)」は格闘要素を取り入れたアクションゲームですが、「イー・アル・カンフー(コナミ)」のような1対1のみに特化した格闘ゲームとは違い、雑魚キャラゲームを倒しながら横スクロールのステージを進んで行き、ボスキャラまで辿り着いたところでボスキャラと戦い、ボスキャラに勝ってステージ端まで行けばステージクリアと言った形になっています。

個性の違うボスキャラ

ステージ毎に個性の違うボスキャラが置かれていますが、ボスキャラを置く事によって特殊感が生み出されますし、それがステージやゲーム全体の構成の平坦さの解消にも繫がっているように思われます。また、ボスキャラを倒した時にはある程度の達成感が感じられる事もありました。特殊感、平坦さの解消、達成感とボスキャラ設置の効果は良い事が多いように見えました。

エネルギー制

「スパルタンX(任天堂)」は「イーアルカンフー」と同じように自機の命はエネルギー制になっています。また、雑魚キャラは違いますが、ボスキャラの命もエネルギー制になっています。

姫はゲーム初心者なので分かりませんが、格闘要素を含んだゲームは一撃死よりもエネルギー制の方が良いのかも知れません。その方が格闘要素での面白味が出るのではないかと思いました。

ステージ内の仕掛け

偶数階では進行方向が右側へと変わり、更に2階では蛇や龍やくす玉、4階では毒蛾が出現する罠が仕掛けられていて、ステージ構成に工夫が見られます。

もし、ここがつかみ男やナイフ投げやトムトムだけの構成なら全ての階が似たり寄ったりになってしまい、ボスキャラだけの差しかなくなってしまいますので、こう言う工夫は大切だと思います。

シルビアの救出

「スパルタンX(任天堂)」では各ステージをクリアして行くだけでなく、その先にはシルビアの救出と言った大きな目標が置かれています。姫はただステージをクリアし続けて行くだけのゲームはあまり好きではない事もあり、全体的な目標が置かれている点は非常に良いと思いました。

エンディング

大きな目標と共にそれを達成した時のエンディングもきちんと用意されています。エンディングは簡単な描画にメッセージを付けただけのものですが、何もないままループで1面に戻るゲームよりは遥かに良いと思います。

2周目のエンディングの画面では小さなハートが大きなハートを作るようにしてトーマスとシルビアの周囲を囲うようになっていて、1周目と少しだけ違う描画のエンディングになってっています。3周目は2周目と同じエンディングでしたが、1周目と2周目が違うだけでも工夫の後が見られます。

同じ事の繰り返し

シルビアを助けてエンディングを迎えた後は再びシルビアがMr.Xに連れ去られた状態に戻り、1階から難易度を上げてのループに入ります。

シルビアは「ドンキーコング(任天堂)」のレディが、「ドンキーコングJR.(任天堂)」のドンキーコングがそうであったように、助ける度に直ぐに連れ去られるようになっています。そして、トーマスはマリオやジュニアがそうであったように終わる事のない救出作業を繰り返す事になります...。

このゲームではプレイヤーに対して「シルビアの救出」と言う大きな目標が与えられていますが、シルビアは救出する度に直ぐに連れ去られてしまい、トーマスは「救出-連れ去られ」を無限に繰り返さなければならず、折角の用意された大きな目標も「ない」に等しいものになってしまっているように感じました。

飽きが来るのが早い

姫の場合は初回プレイでは2周目までは楽しめましたが、2周目からは早くも飽きを感じるようになってしまっていました。そして、2回目のプレイでも2周目に入ったところでプレイ意欲が著しく低下...。

姫にとっては「スパルタンX(任天堂)」は長い時間は楽しむ事が出来ないゲームのようです。2周目は1周目とはエンディングが違うので、頑張ればそこまでは何とかプレイ意欲を保つ事が可能かも知れませんが、5面ループの「救出-連れ去られ」の繰り返しではそれ以上は無理です...。

ただ、短い時間で遊ぶゲームとしては良いゲームだと思います。

印象に残った音

ミスターX他の「ワッハッハッハッハ」と言う笑い声と、トーマスやボスキャラが死亡した時に流れる「ビヨーン(ボヨーン?)」と言う音が印象に残りました。

総合評価 : 19点

「スパルタンX(任天堂)」の総合評価は19点です。

面数が5面と少なく、2周目以降はその少ない面を難易度を上げて繰り返すだけ、「シルビアの救出」と言う大きな目標も際限のない「救出-連れ去られ」により無意味なものとなっていて、プレイ意欲を長時間保つ事が難しくなっています。飽きも早いと言えます。

各階に個性的なボスキャラを置いたり、偶数面でステージの進行方向を変えたり、偶数面に罠を置いたりと色々な工夫が見られるだけに残念です。

評価点は1周目だけ(特に初回プレイの1周目)を取ればもう少し高いのですが、2周目以降では1周目に感じた楽しさがほとんど感じられなくなってしまったと言うところも含めての評価なので19点と言う点になりました。

たまに、少し空いた時間の暇潰しとしてプレイするのには最適かも知れません。5分から10分程度の短時間に限定すれば楽しめるゲームだと言って良いと思います。

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