ジッピーレース(アイレム) : 感想・レビュー [ファミコン]

ジッピーレース : 感想・レビュー

トップビュー縦スクロールと疑似3Dの組み合わせ

「ジッピーレース(アイレム)」はコースの最初の方はトップビューの縦スクロール、コースの終盤は疑似3Dになっています。

途中からスクロール方法が変化する事には最初は違和感がありましたが、これはその内に気にならなくなりました。

順位を争うレースゲーム

「ジッピーレース(アイレム)」はファミコン初の「敵車を抜く事で順位が上がるレースゲーム」になっています。(「F1レース(任天堂)」、「ロードファイター(コナミ)」は時間や燃料が尽きる前にゴール出来るかどうかだけを争っていましたし、「エキサイトバイク(任天堂)」は敵車を抜くのではなくタイムで順位が付いていました。)

ただ、競争相手がオートバイではなく四輪車輌である事とタイムを争っている訳ではないのに最初からかなり先行している車輌がいる事が不自然なように感じられました。(後者については「ゲーム開始の前にもレースがあって、そのタイム差でスタートをしている」と言うのであればまだ分かりますが...。)

姫としては競争相手は四輪車輌ではなくオートバイ、スタートは同時スタートの方が良かったです。

目指せニューヨーク

レースはロサンゼルスからスタートし、ラスベガス、ヒューストン、セントルイス、シカゴと渡り、ニューヨークに到着したところでゴールとなります。最終目的地であるニューヨークに辿り着く事、それまでの間に何位まで順位を上げる事が出来るかが目標になります。

最終的な目的のないゲームも多い中できちんと目的地が用意されていた事は嬉しかったです。

オンロードとオフロード

コースにはオンロードとオフロードの2種類があります。

オンロードでは水溜り、S字、8の字交差など、オフロードでは岩、茂み、川、橋、ジャンプ台などのゲーム的な工夫が見られますが、各オンロード間、各オフロード間にほとんど差が見られないのが残念でした。

5面ループ型

「ジッピーレース(アイレム)」は全5面のループ構成になっています。この内、3つの面がオンロード、2つの面がオフロードになっていますが、各オンロード、各オフロードはレイアウトが多少違うだけで大きな違いは見られません。そのため全5面と言っても全体的には2つしか面がないかのように感じられました。同じオンロード、同じオフロードでもそれぞれの面(区間)によってもう少し違った特徴を持たせておけば5面クリア時に5つの面に挑戦した感覚が残ると思うのですが...。

5面クリア後にはオートバイのクラスを上げて再び1面からのプレイが始まります。今までのゲームは敵キャラが強さを増す事によって難易度が上がるものが多かったのですが、自機の能力が上がる事によって難易度が上がると言うのは新しいと思います。

ゲーム性が低く面白味に欠けるゲーム内容

ゲーム内容は敵車を追い抜きながらコースをクリアして行くだけのもので、操作は左右移動とアクセルとブレーキのみ...姫はこれをあまり面白いとは感じませんでした。

ここ最近でプレイしたゲームの中では同じようなレースゲームとして「ロードファイター(コナミ)」が比較対処になりますが、「ロードファイター」の方がローギア-ハイギア、スピンやカウンターステアと言った要素がある分だけまだゲーム性があると言え、プレイしていても「ジッピーレース(アイレム)」よりは面白味があるように感じられました。「ジッピーレース」は...自車の特性や挙動でもコース上の仕掛けでも...何かゲーム的な要素をもう少し組み込んでも良かったのではないかと思います。

裏技を使用した影響

姫が「ジッピーレース(アイレム)」に挑戦したのは初回プレイのみだけでしたが、その初回プレイでは早い段階(1面の序盤)で車間距離が詰まらなくなる裏技を発見し、その後はその裏技を使いながらのプレイとなりました。

(姫はゲームに挑戦する時は裏技を使わずに挑戦してから、その後にそれとは別に裏技を試すようにしているのですが、この裏技に関しては姫がプレイ中に自ら(偶然ですが)発見した事もあり、(2周目からはこの裏技は使えなくなるため1周目のみですが、)最初から躊躇なく使用しています。)

「ジッピーレース」は本当はニューヨークを目指しながら順位をどこまで上げる事が出来るかを争うゲームだと思うのですが、姫の場合は裏技を使用した影響もあってか、敵車を追い抜く楽しみが感じられず、途中からは積極的に順位を上げて行く事を行わなくなり、ただニューヨークに辿り着く事だけを意識するようになっていました。

「ジッピーレース」が面白いと感じられなかったのは、自車の操作や挙動が単純でゲーム性が低いと言う事以外にも、姫が「ただゴールを目指すだけのゲーム」にしてしまったせいもあるかも知れません。ただでさえ少ないゲーム性を自ら1つ削ってしまったようです...。

総合評価 : 8点

「ジッピーレース(アイレム)」の総合評価は8点です。

トップビューで開始して終盤で疑似3Dに変わる手法は真新しいのですが、単に2つの方式を貼り付けただけのように見え、新鮮さは特に感じられませんでした。

全体的に面白味がなく、自機の操作や挙動、オンロードとオフロードのコース構成など、各所にもう少し工夫が行われていても良かったように思います。色々なゲームが出て来ている中でこのゲーム内容では寂しいように感じられました。

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