シティコネクション(ジャレコ) : 感想・レビュー [ファミコン]

シティコネクション : 感想とレビュー

道路を塗り潰して行くゲーム

「シティコネクション(ジャレコ)」はステージ内の足場(道路)を塗り潰して行く形のゲームになっています。

ステージ内のルートを全て塗り潰す(通過)とステージクリアになると言うのは姫がこれまでにプレイした中では「パックマン(ナムコ)()」に近いように思います。アクション面では「シティコネクション」の方が遥かに複雑化していますが、基本形式としては新しいものではなく以前からある形式と言えるようです。

(道に置かれたエサを全て食べればクリア=エサの置かれた箇所を全て通過すればクリア。)

クラリスカー

自機のクラリスカーはジャンプ、空中での旋回、落下衝撃に対する耐性、オイル缶を回収/発射する機能...どれも従来の車の常識を超えるものになっています。

また、優れた性能を持つ一方でパトカーや(巨大)タケノコに接触すると接触時の速度に関係なく一方的にクラッシュすると言った弱さを抱えています。クラッシュ時には車体が破片になって飛び散りますが、その破片は小さなハートになって散って行きます...。

これらは「ゲーム内の事だから...。」と言ってしまえばそれまでの事ですが、この常識を超えた車に対しては最初の内は不思議な感じを強く受けました。

この思い切った設定は...「シティコネクション」を良い方向に特徴付けている要素...であり、今は前向きに評価していますが、そう感じるようになったのは姫がこのゲームに一通り慣れてからの事で、最初は本当に違和を感じる要素でしかありませんでした...。

クラリスカーの操作性

自機(クラリスカー)の操作性に関してはボタンを押してからジャンプするまでに僅かなタイムラグが感じられるのが残念でした。

綺麗な背景

各ステージ(各国)によってそれぞれの国を特徴的に表している背景が使われています。

これは今までのファミコンの中では最も綺麗な背景だと言って良いと思います。

折角の綺麗な背景ですが、ゲーム内には面が6つしかなく、それが少し残念でした。もっと色々な国があっても良かったと思います。

大きな目的がない6面ループ型のゲーム

「シティコネクション(ジャレコ)」には全体を通しての大きな目的がなく、6面クリア後はエンディングもなく1面に戻ります。2周目は1周目とは足場の配置が変わり難易度が上げられていますが、基本的には同じ背景を前に同じ作業の繰り返しとなります。

「大きな目的がなく少ない面数で難易度を上げてループするだけのゲーム」...こう言うゲームには姫はいつも遣り甲斐のなさや物足りなさを感じるのですが、ここ最近、「ドルアーガの塔(ナムコ)」や「スーパーマリオブラザーズ(任天堂)」をプレイした事もあり、「シティコネクション」に対してはそれを余計に感じるようになっていました。

クラリス

空を飛ぶ車(恐らく違法な車)でハイウェイを走り、各国のパトカー(国家権力)を次々に跳ね飛ばしているクラリスですが、資料を見ると年齢は15歳と言う事になっていました。

自動車免許は持っているのか(国によって取得出来る年齢は違うとは思いますが)、世界を周る資金はどこから得ているのか...と気になるところはありますが、思えばクラリスのような(法に)大胆不敵な娘に対して一般的な感覚を以ってその辺りの事を気にするのは無意味と言えるかも知れません。

と言いながらも、学校にきちんと通っているのかどうかは少し気になります...。長期休暇中なのか、それとも通っていないのか、飛び級で卒業したのか...。

やる気のないパトカーとやる気のあり過ぎるパトカー

パトカーにはただハイウェイを走っているだけのパトカーとクラリスカーに正面から突撃を仕掛けて来るパトカーがいます。

違法な車を気にもせずに走る前者のパトカーはやる気がないように感じられますし、クラリスカーに車体をぶつけてでも暴走を止めようする後者のパトカーはやる気があり過ぎるように感じました。(後者に就いては「運転者に追突しようと言う意思はなく、結果的に正面からの衝突事故になっているだけ」と言った可能性もありますが、どちらにしても、)丁度良いパトカーはいないようです...。

猫好きには耐え難い「猫踏んじゃった」

路上にはチェッカーフラッグを持った猫(おじゃまネコ)が登場します。これを轢くとプレイヤーは「ミス」になります。

おじゃまネコを轢くと轢かれたおじゃまネコは斜め上へと跳ね飛ばされて行き、同時に「猫踏んじゃった」が流れるようになっています。明るく演出されてはいますが姫のような猫好きにとっては辛い場面でした...。

BGM(背景音楽)

BGM(背景音楽)にはチャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番のアレンジが使われています。

ゲームの気楽で可愛い雰囲気に合った、また、それらを十分に演出出来ているアレンジだと思います。

雰囲気の演出

「シティコネクション」は描画や音楽によって全体的に気楽で明るく可愛い雰囲気が演出されています。(パトカーを気楽な音楽が流れる中で跳ね飛ばし、猫を轢いても明るく処理され、自車がクラッシュしても可愛く散って行きます。)

この演出は自車の思い切った設定、綺麗な背景と共に「シティコネクション」を特徴付けている要素であり、独自性を持たせると言う面では成功していると言えると思います。

裏技

裏技には作り手側が意識的に組み込んだものとそうでないものとがありますが、「シティコネクション(ジャレコ)」にある隠しキャラを出現させる裏技や背景色を変化させる裏技は後者の方(と考えるのが妥当)だと言えます。

1つ前にプレイした「プーヤン(ハドソン)」もそうでしたが、このとこころは「裏技もゲームの面白さや楽しみの一部」として意識的に組み込まれる傾向が強くなって来ているように感じられます。

総合評価 : 27点

「シティコネクション(ジャレコ)」の総合評価は27点です。

床塗り潰しと言うゲーム形式は珍しく、思い切った設定や演出されている雰囲気は特徴的ですし、背景はこれまでのゲームの中で最も綺麗です。ゲーム初心者は、是非、プレイした方が良いゲームだと思います。(ゲーム初心者の姫が言うのも変ですが...。)

ですが、基本的には大きな目的のない中での同じ事の繰り返しであり、夢中になれるような要素はなく、やり応えも感じられませんでした。飽きも早くにやって来ます。

短期的な楽しさはあるので短時間の暇を潰すためのゲームとしては良いと思います。

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