ゼビウス(ナムコ) : 感想・レビュー [ファミコン]

ゼビウス : 感想・レビュー

進化したシューティングゲーム

ファミコンでの戦闘機型シューティングゲームはこれまで「ギャラクシアン(ナムコ)」しかありませんでしたが、その「ギャラクシアン」と比べるとこの「ゼビウス(ナムコ)」はシューティングゲームとしてかなり進化しているように感じられました。「ゼビウス」は「ギャラクシアン」の約2ヶ月後に発売されたゲームですが、全ての面においてとても同時期のゲームだとは思えないほどの差があります。

(「ギャラクシアン」のタイトル画面を見ると1979と1984の表示があます。一方、「ゼビウス」のタイトル画面には1983と1984の表示があます。「ゼビウス」がファミコンで発売されたのは「ギャラクシアン」の僅か2ヶ月後ですが、もしかすると両作品の間にはそれよりも長い間隔があり、同時期の作品として扱うには適していないかも知れません。姫には調べる手段がないので想像でしかありませんが。)

縦スクロール

これまでのシューティングゲームは固定画面型でしたが、「ゼビウス(ナムコ)」には縦スクロールと言う要素が取り入れられています。

画面スクロールはステージ(空間)の広さだけでなく、自機の飛んでいる感じの演出にも繫がっていて、画面スクロールと戦闘飛行機型シューティングゲームは相性が良いように感じられました。

また、次々と色々な地形が流れて来るため固定画面型よりも退屈し難くなっているように感じました。

自機の移動可能領域の広さ

「ギャラクシアン(ナムコ)」では自機は左右にしか動けませんでしたが、この「ゼビウス(ナムコ)」では自機は画面内を8方向に自由に動く事が出来るようになっています。

左右にしか動けない自機を与えられた時には前後にも動ければ弾を簡単に避けられるのにと思う状況がありましたが、「ゼビウス」では自機が8方向に動くためそのような事はなく、ゲーム内での自機の行動の制限が減少した事で心的な不満を感じる事も減少しました。

空中の敵と地上の敵

敵キャラは空中と地上に分かれていて、自機ソルバルウにはそれに合わせて対空兵装(ザッパー)と対地兵装(ブラスター)が装備されています。

最初は空と地上で武器が違う事や、ブラスターの照準を合わせる感覚に少し戸惑いましたが、操作自体は複雑ではなく、慣れるとこれが普通に感じられるようなりました。

アンドア・ジェネシス

ゲーム内にはアンドア・ジェネシスと言う巨大要塞が登場します。このアンドア・ジェネシスのような存在を「ボスキャラ」と言うようです。

アンドア・ジェネシスが登場する場面ではそれまでとは違った雰囲気が場に生じます。ボスキャラのような特殊な存在は通常の平坦な流れを打ち破る手段としてや、プレイヤーに高揚感や緊張感などを与える手段としては非常に有効なのではないかと感じました。

ソル/スペシャル・フラッグ

ゲーム内にはソルやスペシャル・フラッグと言った特定の条件下でしか出現しない存在が用意されています。このようなものを「隠れキャラ」と呼ぶようです。

ソルやスペシャル・フラッグの存在によって通常の流れの中に「ソルを探す」、「スペシャル・フラッグを探して1UPを狙う」と行った別の流れが組み込まれ、それが楽しみ方に幅を持たせているように感じられました。

面数(エリア数)の表示

「ゼビウス」は全16面エリアで、各エリアは「大きな森」によって区切られていますが、面数(エリア数)の表示がどこにもなく、現在の面が何面なのかが(自分で憶えておく以外には)分からないようになっています。難しい事ではないと思いますので面数の表示くらいはしておいて欲しかったです。

残り自機数の表示

ソルバルウの残り数はゲームスタート時と死亡後の再スタート時に表示されるだけで、それ以外のところでは現在の残り機数が何機なのかは分からないようになっています。残り機数は気になる項目なのでいつでも確認出来るようにしておいて欲しかったです。

自機の移動速度

プレイしていてソルバルウの移動速度が非常に遅く感じられました。

これに関しては個人の好みになると思いますが、少なくとも姫にとっては自機の移動速度は、それに伴い敵キャラや弾の速度が上がったとしても、もう少し速い方がプレイしやすかったように思います。

無敵モード

「ゼビウス(ナムコ)」には自機ソルバルウが無敵になると言う裏技があります。

試してみましたが...自機が無敵になっただけで全くと言って良いほど面白味のないゲームへと早変わりしました。シューティングゲームは被弾を避ける時の緊張感と避けた後の開放感が良いところの1つだと思うのですが、それがなくなっただけで無意味で退屈なゲームになるようです。

無敵モードはソルやスペシャル・フラッグを探し出したり、ゲーム内容の研究をしようとする際には重宝しますが、「ゼビウス」、そしてシューティングゲームの本質的な部分を楽しみたいのであれば無敵モードは使わない方が良いと思います。

総合評価 : 18点

「ゼビウス(ナムコ)」の総合評価は18点です。

縦スクロール、自機の8方向移動、対空と対地の2種類の攻撃、ボスキャラ、隠しキャラ、無敵モードなど...新しい要素が非常に多く含まれている戦闘機型シューティングゲームになっていて、今までファミコン唯一だった戦闘機型シューティングゲームの「ギャラクシアン」と比べると何もかもが新しく感じられました。

(「ギャラクシアン(ナムコ)」はあれはあれで1つの「型」としてあるとは思いますが、「ゼビウス(ナムコ)」をプレイして戦闘機型のシューティングゲームは本来は「ゼビウス」のようにあるべきなのではないかと思いました。)

ただ残念なのは自機の速度が遅く感じられた事と、全体的にあまり面白く感じられなかった事です。それがこの18点と言う点数になった理由です(姫の主観重視の点数です)。目を見張るべき部分は多くありますが、姫にとってはそれだけのゲームでした。

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