パックランド(ナムコ) : 感想・レビュー [ファミコン]

パックランド : 感想・レビュー

不思議な事が当たり前のゲーム...

説明書によれば「パックランド(ナムコ)」の舞台は「不思議な事が当たり前の国」との事ですが、このゲームは、恐らく、その「不思議な事が当たり前」と言う事を売り物としているのだろうと、プレイした際に感じました。

ただ、このゲームの売り物が「不思議な事が当たり前」であるとするならば、それは、残念な事に、然したる売り物とはなっていないのでは無いかと思います。

姫のこれまでの体験から言えばゲームに「不思議な事」が入り込んでいるのは極普通の事ですし、その中に於いて、この「パックランド(ナムコ)」に見られる「不思議な事」は、ゲーム慣れしてしまった人間、少なくとも(ここまでファミコンをプレイして来た)姫にとっては、やや、弱く感じられるものばかりだと言えます()。また、その「不思議な事」がゲーム内で面白味を生み出す要素となっているかと言うと、そうは感じられません。「不思議な事」と言ってもどれも弱いものであり、その上、ゲーム内に面白味を生むものでも無い、そのような弱く、面白味を生みもしないものをただ数多く入れたところで、売り物とはならないように思います。

(多くのゲームでは何かしらの「不思議」が何気無く入り込んでいたり、意図的に入れられていたりするものですが、姫はゲームに慣れる前はこれを上手く無視する事が出来ずにいました。しかし、幾つものゲームに触れている内にそう言った「不思議」にも慣れたようであり、今は「ゲーム」と割り切り、「不思議」を目にする度に驚くような事も無くなり、プレイに集中出来るようになりました。気にはなりますし、レビューを書く際には触れますが、プレイ中は「ゲーム」と割り切って気にしないようにしています。上手く見て見ぬ振りが出来るようになったと言えます。そのように「不思議」に慣れてしまった姫にとっては、「パックランド(ナムコ)」に含まれている不思議は大したものには感じられませんし、もし、これが売り物だとするのであれば、物足りなくさえ感じるところです。)

「不思議な事が当たり前」の舞台と言う事では「パックマン(ナムコ)」から既にそのようであったかと思います。そして、思えば、そちらの方が不思議であったように思います。途中から自分が何をしているのか疑問に思うほどの不思議さがありましたので...。

全体的に面白味に欠けるゲーム内容

「パックランド(ナムコ)」は姫にとってはゲーム内容が面白いとは感じられない作品だったと言えます。

ステージは構成には工夫が見られるものの、どのステージも、やや、退屈であったかと思います。街、山、谷、水場などの様々な場面があるのは良いのですが、だからと言って楽しめると言うほどのものでは無く、物足りなさを感じました。移動方法も、空を飛べたり、ジャンプ台を使ったり、敵キャラの頭上に乗って移動したりするなど色々と用意されているのですが、これも同様でした。

ステージ内に出現する「フルーツターゲット」は取る楽しみが特に無く、取ろうとするとステージ進行が難しくなるので無視して進む場面が多くありました。得点による「1UP」はあるものの、ゲームが上手では無い姫にとっては自機を危険にさらしてまで取りに行くほどの価値がるものでは無かったと言えます。単なる得点アイテムでは無く、手間を掛けても取りに行こう思える利点があるものであったならば、まだ、楽しめたと思うのですが...。得点に興味が無いプレイヤーにとっても意味がある要素にしておいて欲しかったところです。姫にとってはあっても無くても大差の無いものでした。

敵キャラに関しては、それぞれ挙動に違いがあり、個性を持たせているところは良いとして(それも極普通の事ですが...)「パワーエサ」の作用時以外は倒す事が出来ませんし、頭上に乗って移動手段として利用する以外では躱すだけの対象でしか無く、ゲーム性の面で非常に物足りない存在だったと言えます。「パワーエサ」の作用時以外は倒す事が出来ず、躱すだけの対象と言うのは「パックマン(ナムコ)」がそう言うゲームだったので、それを踏襲するのであれば仕方が無いのかも知れませんが...もう少し何かあっても良かったように思います。「では、何を如何すれば良いのか」と言ったところで具体的に何が如何とは言えないのですが...。(レビューの良いところか、悪いところか、それは上から、且つ、無責任にものを言える性質のもの(具体的な提案や解決策を言いもせずに問題点を指摘するだけでも済んでしまうもの)であり、ここでもそれが出ています...。)

特殊な操作方法と操作性の悪さ

この「パックランド(ナムコ)」では他のゲームと比べると自機の操作が難しく、最初はそれにかなり戸惑いました。

この自機の操作を難しくしている原因は2つあります。

1つは操作形式が「十字ボタンでジャンプ、A/Bボタンで左右移動」となっている事です。これまでのゲームは「十字ボタン」は自機の移動や姿勢の変更に、「A/Bボタン」はそれ以外のジャンプや攻撃と言った動作に割り当てられているものが大半であったのですが、このゲームではそれらとはボタンの役割が逆になっています。これは、これまでのゲームの操作形式にすっかり慣れていた姫にとっては自機の直感的操作を難しくするものでした。特に、最初の頃は「十字ボタン」が移動、「A/Bボタン」がジャンプと言う感覚が抜けずに苦労しました。ここは普通に「十字ボタンで左右移動、A/Bボタンでジャンプ」であって欲しかったところです...。

もう1つは自機の操作性の悪さです。自機には横方向の移動に対して慣性が生じるのですが、これが横方向の入力の大きさに対して、やや、大袈裟である(大きく、粘り強く働く)ように感じます。その慣性の付き過ぎが、その分だけ自機の操作を難しく、特に慣性を相殺する作業(逆方向への移動操作)を面倒なものにしているように感じました(ゲーム性が豊かになるので慣性やその相殺作業はあって構わないとは思うのですが...)。また、自機のジャンプの高さを決める要素が自機の移動速度だけと言うのも自機を扱い難いものにしている原因の一つかと思います。移動速度だけでジャンプの高さを決めると言うのは初心者の姫には難しい作業であり、ジャンプの高さが狙い通りにならない事が多くありました。これが、ジャンプ前の状況(移動速度)だけでジャンプの高さが決まるのでは無く、ジャンプ後に高さを調節する事が出来るようになっていたならば(例えば「ジャンプボタンの押し時間の長短」でそれが出来るようになっていたならば)、プレイが、随分、楽になったと思うのですが...。(ジャンプの瞬間にジャンプの高さが決まっている方が自然であり、ジャンプ後にジャンプの高さを調節出来る方が不自然ではあるのですが、初心者としては後者の方が便利で助かります。)これならばジャンプの高さが一定であった方がまだ扱い易かったように思います。

1つ目に挙げた「操作方法の違い」は暫くプレイしていると慣れて行き、何とかなるようになったのですが、2つ目に挙げた「自機の操作性の悪さ」に就いては、中々、慣れる事が出来ず、結局、やや慣れた程度(操作性の悪さにある程度上手く付き合えるようになった程度)で十分に克服する事が出来ずに終わりました。恐らく、自機の操作性の悪さも遣り込めば克服も出来たのだろうとは思います。しかし、ゲームが面白ければ操作性の悪さを乗り越えようとする事に価値も感じられ、慣れるまで遣り込もうと言う気も自然と出て来るかと思うのですが、この「パックランド(ナムコ)」はゲーム自体が面白いと感じられるものでは無く、そうはならなかった(慣れるまで遣り込もうと言う気は起こらなかった)と言えます。

姫が初心者であるせいかも知れませんが、この操作形式、操作性に関してはもう少し何とかならなかったものかと思います。結局、「パックランド(ナムコ)」は、モンスターやステージの仕掛けと戦っているのでは無く、終始、操作性の悪さと戦っているようでした。操作性に関しては非常に残念な点であります。(姫(初心者)はこれを楽しめるほどのゲーム好きではありません...。)

隠し要素は多いが、どれもやや弱い

「パックランド(ナムコ)」では条件を満たす事によって様々な隠し要素が発現するようになっているのですが、これがやや弱いように思います。

  • 障害物を押すと「ヘルメット」を取得出来る。
  • 障害物を押すと「6つの風船(その内、5つが100点で1つが7650点)」が出現する。
  • パワーエサ作用時に4体のモンスターを倒し、5体目に「スー」を倒すと「ラッキー・パックマン(取ると残り時間が点数として加算され、更にタイムがフルに戻る)」が出現する。
  • 障害物を押すと「黄色い花」が出現する。それを3つ集めると「スペシャル・パックマン(取ると1UP)」が出現する。
  • タイムオーバーになると「紫色の花」が出現する。それを4つ集めると次のラウンドクリア時に空中ボーナスの得点とは別に7650点が入る。
  • パワーエサ作用時のモンスター殺数が1体であると「オレンジの花」が出現する。それを3つ集めると次のパワーエサ作用時にモンスターが一体7650点になる。
  • 「丸太で出来た足場」の上を行き来すると「赤色の花」が出現する。それを4つ集めるとモンスターの飛行機から、小モンスターでは無く、「花(取ると1000点)」が落とされるようになる。
  • 「黄色の花」、「紫色の花」、「オレンジ色の花」、「赤色の花」を1つずつ取るとパワーエサが降って来る。
  • ラウンド1からラウンド13へワープする。

「2」、「5」、「6」、「7」は言ってしまえば点数が入るだけの隠し要素です。この「パックランド(ナムコ)」は自機の操作性が悪く、姫のようなゲーム初心者ではステージクリア以外の狙いを持って行動すると死亡する事が多くなってしまいます。そのため、ただ点数が入るだけの隠し要素は狙って行く価値が薄いと言えます。あっても特に嬉しさは無い要素だと言えます。(「7」は見た目の変化があるので一度は狙いたいところですが、やはり、通常のステージクリアを優先したプレイの中では積極的に狙うほどのものでは無いと思います。見た目の変化はあっても加点用の隠し要素でしかありませんし、隠し要素の確認用にプレイしてそこで確認すれば気が済む程度のものです。)

「3」は、出現した「ラッキー・パックマン」を取ると残り時間が点数として加算され、更にタイムがフルに戻ると言うものなのですが、これもタイムが十分に残っていればただの点数が入るだけの要素と変わりが無いと言えます。しかも、残りタイムが無い状況であっても、パワーエサがある箇所まで来たならばパワーエサを取り、その作用中にステージ終端を目指した方が手っ取り早いと言え、これも積極的に狙う気にはなれない隠し要素であると言えます。

「8」は単にパワーエサが出現するだけのものです。苦労の割には得られるものが少ないと言える隠し要素であり、通常のステージクリアを優先したプレイの中で狙って行くようなものでは無いと思います。

「1」は「パックマン」がヘルメットを装備し、小モンスターに対して無敵(倒して点数を得る事が出来る状態)になると言うものです。ステージを進む上で役には立ちますが、しかし、実際にはあっても無くても然程変わりがない程度のものであり、態々、探し出して取得すようなものでも無いと言えます。

「4」は「1UP」であり、姫のようなゲームが不得手な人間にとっては狙いたくなるものだと言えます。ただ、これは、トリップ1では比較的簡単に出現させる事が出来るものの、トリップ2以降では狙うのが難しくなります。トリップ1では狙っても構わないと思いますが、残機を増やそうと狙って行き、そこで死亡する(機数を減らす)ようでは意味が無いので、姫のような少し難しくなると直ぐに自機を失うような人間はトリップ2以降では狙いたくても狙わない方が(無視してステージを進む事に集中した方が)無難であると言えます。(下手である故に残機が欲しくなるのですが、下手である故にそれが叶わないと言うもどかしさがあります。)結局、これも積極的には狙う事が無いものだと言えます。

「9」は他と比べると派手な裏技であり、魅力的に思えます。しかし、これを行うとゲームが十分に楽しめなくなると言え、ゲームを楽しみたいのであれば好んで行うものでは無いと言えます。

「パックランド」の隠し要素は狙う価値が低いものばかりだと言えます。姫(初心者)が狙うとするならばトリップ1での「4」ぐらいです。それ以外は無視してステージを進めた方がゲームが上手く行くように思います。それを犠牲にしてでも狙いたくなるものがあれば良かったのですが...。どれもがやや弱く、魅力も無く、そのようなものが無駄に多くあるように感じました。裏技がこれだけ多くあれば通常はゲームの盛り上がりに繫がると思うのですが...そうなっていないのが残念です。

初見時に死に易い、「罠」とも言える場所がある

「パックランド(ナムコ)」にはプレイヤーが初見である事を利用して殺そうと仕組んでいるのでは無いかと思われる箇所が幾つかありました。これが余り好みに合わなかったようです。

ラウンド6のジャンプ台

例えば、ラウンド6にはジャンプ台を使って大きな水場を超えて行く箇所があるのですが、これは、初見時にはその先にどの程度の大きさの水場があるかが分からずにジャンプ台を跳ばなければならず、助走を付けて跳べば大丈夫だろうと言う程度の安易な考えで跳ぶと途中で飛距離が足りなくなって落水して死亡するようになっています。初見では水場を跳び越えるためには飛距離を伸ばす必要があると言う事を知らないまま、しかも、飛距離を伸ばせると言う事も、その伸ばし方も分からないままで跳ぶ事になります。(不親切な事にジャンプ台での飛距離の伸ばし方は説明書には書かれていません。)初見の何も分からない状態では死亡するのが当たり前とも言える、初見殺しの罠のような箇所だと言えます。

この箇所では、ジャンプ台を普通に跳んで飛距離が足りずに死亡し、ジャンプ台による飛距離を伸ばす必要があると気が付いた後、飛距離の伸ばし方を探る事になります。それも、「失敗すれば死亡」と言う中でそれを探る事になります。命を懸けて恐る恐る行う実験のような事を強いられます。通常のステージ進行作業の中でこのような作業が必要となる事は問題であるように思いました。

ジャンプ台の使い方は直感的に分かるので必要ないにしても、せめてジャンプの飛距離の伸ばし方は説明書に書いておいて欲しかったところです。そうであれば、初見時でもそれを行い無事にその箇所を突破出来たかも知れませんし、命を懸けて操作方法を探るような事をする必要も無くなりますので。

ラウンド4の谷

妖精を「フェアリーの国」に送り届けた後の帰路(各トリップの4つ目のラウンド)は空を飛ぶ事が可能であり、その事は説明書に書いてあるのですが、肝心の空の飛び方(空を飛ぶための自機の操作方法)は説明書には書かれていません。

トリップ1のラウンド4には大きな谷があり、そこではステージを進むためにその空を飛ぶ移動方法が必要となります。空を飛ぶと言っても空中での連続ジャンプの事であり、操作方法も直ぐ探り当てる事が出来る簡単なものなのですが、それを見付けられなければ、その間、谷を渡れずにいる事になります。初見では人によっては大きく時間を失ったり、飛び方が分からないまま谷に飛び込んで自機を失ったりする事もあり得るところであるかと思います。基本操作である事を考えると、これは説明書にきちんと書いておくか、そうで無ければゲーム内でも良いのでどこかで分かるようにしておいて欲しかったところです。

姫の場合は、帰路で自機が空を飛べるようになる事を説明書によって知っていたのでラウンド4の最初でその操作方法を探り、割合、早く探り当てる事が出来ました。支障無くステージを進行する事が出来、特に問題にはならなかったと言えます。しかし、幾ら直ぐに探り当てる事が出来、問題にはならなかったとは言っても、その作業はステージを進行する上では余計な手間に感じられました。(教えておくべき基本的な事を教えていない事によって生じるこのような手間は楽しめる類のものでは無く、無い方が助かるのですが...。)

これは「初見殺し」とまでは言いませんが、ラウンド4に始めて遣って来たプレイヤーに多かれ少なかれ戸惑いを与えるものではあるかと思います。そこにプレイヤーを戸惑わせる意図は無いとは思いますが、取り除いておくべきものであったと思います。

(因みに、何故、「パックマン(自機)」が帰路だけ空を飛べるようになっているのかは、ゲーム内では勿論、説明書でも触れられていません...。そのため、プレイヤーからすると「ラウンド4になるとパックマン(自機)が、突如、空を飛べるようになっている」と言う事になります。「不思議な事が当たり前のパックランド」である事から説明不要と言うと事なかも知れませんが、この辺りは「今まで飛べなかったのが、何故、帰路になって飛べるようになったのか」に就いて何らかの説明があっても良かったのでは無いかと思います...。「妖精の不思議な力でそうなる」でも何でも構いませんので。)

ラウンド10の「丸太(回転している)で出来た足場」

ラウンド10からは「丸太(回転している)で出来た足場」の中に、それまでとは異なる「丸太の回転方向と、乗ったパックマン(自機)が流される方向とが反対になっている足場」が出て来ます。それまでの「丸太(回転している)で出来た足場」は丸太の回転方向が左で、パックマン(自機)が流される方向も左、即ち、見た目通りのものでした。しかし、ラウンド10から出て来るそれは、丸太の回転方向がこれまでと同じ左回りでありながら、パックマン(自機)が流される方向は右、即ち、見た目とパックマン(自機)に及ぼす作用とが一致しないものとなっています。

これは、これまでのものと見た目が変わらないので初見では見抜く事が出来ません。当然、初見ではこれまでのものと同じ、即ち、パックマン(自機)が左側に流されるものと思って乗ると事になり、全く警戒していない中、右側に流される事になります。これは油断している中で起こるので、咄嗟の対応が出来ずに足場から落下する事もあるかと思います。無防備なところを狙った罠であるかのようです。

また、これまでのものはパックマン(自機)が左に流されるようになっていたため、例えば、姫の場合は飛び乗る際に右端を狙ったり、跳び乗ると同時に右方向を入れたりし、その対策としていたのですが、これを「自機が逆方向に流される足場」に対して同じように行うと、対応する間も無く(当然の対策であった筈が裏目に出て)足場から落下する事になります。ゲーム内に「自機が逆方向に流される足場」がある事を知らない時点では、当然、それに対しても左に流される事を計算して跳び乗る事になるのですが、それを逆手に取って落下させようとしてるのであれば、(そこまでのものでは無いと思いますが...もし、そうであるならば)卑怯とさえ感じます。

ラウンド10の1つ目の足場で「自機が逆方向に流される足場」があると言う事が分かった後、その後に出て来る「丸太(回転している)で出来た足場」に対しては「パックマン(自機)がどちらに流されるか分からない」と言う事が分かっているので、どれも初見では警戒する事になり、罠の感は無くなるのですが、ただ、ラウンド10の1つ目に関しては「初見殺しの罠」であるように感じました...。

この「丸太(回転している)で出来た足場」に関しては、丸太の回転方向と、それに乗ったパックマン(自機)が流される方向とを合わせておいて欲しいところでした。見た目で分かるようにしておけば仕掛けとして何も問題は無かったかと思います。


他にも、例えば、進むルートによって敵キャラに遭遇するしないが違っている箇所では、初見時、進んだルートに敵キャラが出現してそれを避け切れずにミスとなった事がありましたし、空中にサボテンが生えている箇所では、初見時、空には障害物が無いと思っていたところにそれが出現し、突然の事に対処が出来ず、それを避け切れずに水場に落下してミスとなった事もありました。知っていれば避けられた事態であったとも言え、初見であるが故の難しさがあった個所だったと言えます。但し、それらはゲームを盛り上げる仕掛けとして理解出来るものでした。それに比べ、上述の、特に「ジャンプ台」や「丸太(回転する)で出来た足場」は容認し難いものであったと言えます。ゲームに難しさを持たせるための工夫とは違い、操作性の悪さもそうですが、「余計な困難」であると言え、あって好ましいものでは無いように思いました...。

「スーパーマリオブラザーズ」の後にプレイした影響

姫はファミコンで発売された順でゲームに挑戦しています。その中で、少し前にプレイした同形式のゲーム(横スクロール型のアクションゲーム)に「スーパーマリオブラザーズ(任天堂)」と言うゲームがありました。「スーパーマリオブラザーズ(任天堂)」は「パックランド(ナムコ)」と比べると操作性が良く、ゲーム上の工夫や仕掛けも多くあり、非常に出来が良いゲームだったと言えます。「パックランド(ナムコ)」をプレイする中で出来の悪さや物足りなさを強く感じたのは、その「スーパーマリオブラザーズ(任天堂)」を先にプレイしていた影響もあったと言えるかと思います。即ち、自ずと比較対象になる「同時期に出た同形式のゲーム」が非常に出来が良く、それを先にプレイしていた事により、「パックランド(ナムコ)」の出来の悪さ、物足りなさが更に目立つところとなってしまったのでは無いかと思います。

「スーパーマリオブラザーズ(任天堂)」よりも先にプレイしていれば、また、感想も違っていたのかも知れません。

「スーパーマリオブラザーズ」よりも古い作品

見ると「パックマン(ナムコ)」には「© 1984 1985 NAMCO LTD. ALL RIGHTS RESERVED」との表記があります。ファミコンの「パックマン(ナムコ)」の発売日は「1985/11/21」です。しかし、「1985」だけで無く、「1984」の表記もあると言う事は、1984年にはファミコン以外のところで発表されていたと言う事になるかと思います。「スーパーマリオブラザーズ(任天堂)」の発売日が「1985/09/13」なので、「パックマン(ナムコ)」はファミコン上では「スーパーマリオブラザーズ(任天堂)」の後に発売されたゲームと言う事になりますが、ファミコン以外も含めると「スーパーマリオブラザーズ(任天堂)」よりも古いゲームであると言う事になりそうです。

この場合、如何評価するかが分かれるところではあるかと思います。

姫はファミコン上での発売順でプレイし、ファミコンとして評価を行っているので、やはり、「スーパーマリオブラザーズ(任天堂)」よりも後に発売されたゲームであり、時期で言えば(発売時期の近さから)同時期のゲームとして扱っています。(そのため、どうしても、「スーパーマリオブラザーズ(任天堂)」との直接的な比較になってしまいますし、同時期のゲームでありながらそれに遠く及んでいないと言う印象を持ってしまいます。)しかし、「スーパーマリオブラザーズ(任天堂)」よりも古いゲームとして扱えば、「スーパーマリオブラザーズ(任天堂)」と比較するのでは無く、そのようなアクションゲームが生まれる過程でこのようなゲームがあったと言うような視点で評価する事も出来るかと思います。

ただ、当時、ファミコンでのゲームしか知らないと言う人も多くいたかと思います。そう言った人達が、仮に姫のように「パックランド(ナムコ)」をプレイした際に「スーパーマリオブラザーズ(任天堂)」よりも出来が悪い、物足りないと感じたとしても、そこで...本当は「スーパーマリオブラザーズ(任天堂)」よりも前のゲームだから仕方が無い...と思うかと言うと、中々、そうはならないのでは無いかと思います。ファミコンしか知らない人達は、恐らく、姫と同じようにファミコン上だけでゲームを評価して終わりなのでは無いかと思います。即ち、新しく発売されたゲームなのに古いゲームよりも出来が悪い、物足りない、或いは同時期のゲームなのに出来が悪い、物足りないと思って終わりなのでは無いでしょうか。しかし、ファミコンしか知らなければそうなるのが自然であるように思いますし、ファミコン上だけでゲームを評価したとしてもそれは仕方が無い事のように思います。

広い視点で見れば、「パックランド(ナムコ)」のようなゲームが先にあって、そこから発展があって「スーパーマリオブラザーズ(任天堂)」のようなゲームが出て来たのだろうと思いますし、ファミコンでは「スーパーマリオブラザーズ(任天堂)」よりも後に発売されていても本当はそれよりも古いゲームであると言う事を考えると、ファミコンで同時代に発売されたゲームと直接的に比較して出来が悪い、物足りないなどと評価するのでは無く、古いゲームとして扱い、評価するのが妥当であるのかも知れません。そして、そう見れば悪く無いゲームだと言えるのかも知れません。しかし、それはゲームに広く詳しい者が行えば良い評価方法かと思います。そう言う見方が出来る人はそう言う見方でも良いかと思いますが、普通のプレイヤー(特に当時、ファミコンに夢中だった子供達)はそう言った視点でものを語る必要は無いと思います。大半は普通のプレイヤーであったかと思うので、そう言った普通のプレイヤーの目線での評価と言うものも(ゲームに造詣が深い者からすれば的外れと言えるかも知れませんが)あっても良いのでは無いかと思いますし、大衆に向けた娯楽である事を考えると、寧ろ、そちらの方が大事なのでは無いかと思います。

姫の場合もファミコン以外のゲームを今のところは知らず、ファミコンのゲームをその発売順にプレイしている最中なので、当然、どのゲームもファミコンとして評価するしかありません。ここでの「パックランド(ナムコ)」の評価もそれです。「パックランド(ナムコ)」のプレイ時には「スーパーマリオブラザーズ(任天堂)」をプレイした体験を持った上でのプレイであり、「スーパーマリオブラザーズ(任天堂)」よりも後のゲーム、或いは、間隔が狭い事から同時期のゲームと言った感覚でプレイし、その感覚で評価を行いました。発売順でプレイして行く中で少し前に同形式のゲーム(横スクロールアクションゲーム)をプレイしているとなれば、その後にプレイしたゲームをそれよりも後のゲーム、或いは発売日が近ければ同時期のゲームとして扱い、それと比較して評価するのは、専門家でも無く、ビデオゲームに関する知識が全く無い、ファミコンしかプレイした事が無い人間であれば普通の事であるように思います。ファミコン版よりも前にあったと思われる「パックランド(ナムコ)」を知っている者であれば、その「パックランド(ナムコ)」と比較して評価したり、「あの『パックランド』がファミコンでプレイ出来る」と言った感覚で評価したりするのかも知れませんが、それを知らないと評価してはいけない、評価するのであれば他の「パックランド(ナムコ)」も知らなければならないと言う事も無いと思います(そもそも、このサイトは素人である姫がゲームをプレイし、その素人の視点でレビュー・感想を綴っているサイトであり、専門的な事や詳しい事は一切無く、他を知らない状態での感想・評価、狭い中での感想・評価と言うものもあって良いだろうと思い、記事を書いているサイトです)。少なくとも姫はそのように思いながら、ものを知らないなりにも評価を行っているのですが(素人なのでそれしか出来ないのですが...)、姫のように他を知らずに行った評価も、それはそれで「ファミコン以外の作品を知らない人間の評価」として意味があるように思います。

この辺りの事に関しては作り手が如何思っているのかが少々気になるところです。古いゲームであってもファミコンで発売すれば、姫のようにファミコンしか知らない人間によって、先に発売されたファミコンのゲームや同時期のファミコンのゲームと比較される事は、当然、起こり得る事であり、分かっている事と思うのですが...。作り手はファミコンで出すからにはそれまでのファミコンのゲームと比較される事を覚悟して出すものなのでしょうか...。それとも古いゲームは古いゲームとして別の感覚で触れて欲しいと思っているのでしょうか...。(個人的には、ファミコンしか知らない人間に対し、古いゲームとして寛容に扱って欲しいなどと思って出して欲しくは無いところですが...。)

総合評価 : 7点

「パックランド(ナムコ)」の総合評価は7点です。

「パックランド(ナムコ)」は、姫がゲーム初心者であるせいなのでしょうか、自機の操作性の悪さから中々上手く楽しめないところがありました。しかし、それを抜きにしてもゲームとしての魅力や面白味が少ないゲームであったように感じます。仮に操作性が悪く無くても、或いはゲームを繰り返しプレイして行く中で操作性の悪さを克服出来たとしても、(それにより多少は楽しめるようにはなるかも知れませんが、)ゲーム自体は面白い、楽しいと感じる内容では無かったように思います。

このゲームは「初めて来た際に死に易い箇所」が度々出て来ますが、その中には単に難しいと言うよりは「罠」に近いものがありました。こう言った箇所は余計であったように思います。そう言った箇所は一度引っ掛かった後に挫けずに挑んで行き乗り越えて行くものかと思うのですが、「パックランド(ナムコ)」に関しては面白味のあるゲームでも、遣り甲斐があるゲームでも無いため、それは単にプレイする気を削ぐものにしかなっていなかったように思います。面白味のあるゲームであればそう言ったものを乗り越えて行く事が遣り応えにもなるのでしょうが...。このようなゲームで「罠」とも思えるものを置くのは如何なものかと思いました。

隠し要素が多く用意されているのは良いのですが、積極的に狙いたくなるものは無く、物足りなく感じました。惜しいと思います。

「パックランド(ナムコ)」に対する評価(7点)は、少し前に「スーパーマリオブラザーズ(任天堂)」をプレイしている事から如何してもそことの比較になってしまい、厳しいものとなってしまっているかと思います。「スーパーマリオブラザーズ(任天堂)」と比較する事で操作性の悪さは更に気になるものとなり、ゲーム内での工夫や仕掛け、隠し要素に対する物足りなさも大きなものとなったかと思います。発売時期が違っていれば、或いは「スーパーマリオブラザーズ(任天堂)」の登場が無ければ、この評価もまた違っていたかも知れません。

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